2009年10月13日 (火)

老老介護の現実

 クリニックの外来に月に一回通院している85歳の男性がいます。Yさんは奥様との二人暮しです。その奥様は2年前に腎臓の手術をとある大学病院で受けた際に合併症を併発し、以後意識障害が残り、介護が必要な状態になったそうです。

 Yさんが毎日の家事を担当。三度の食事は奥様が食べれるようにミキサー食を作り、1~2時間かけて食事介助をし、食べさせてあげているとのことです。洗濯は毎日、掃除は週に一回ぐらい。買物は隣駅に住む娘さんが買ってきて届けてくれるそうです。

 Yさん曰く、「若い頃女房にも迷惑かけたので、今恩返しをする番。でも、声をかけても、返事が返ってこないのが寂しい。言葉を介してコミュニケーションをとれないのがとても辛い。」とのいこと。

 続いて、「こんな愚痴は娘にも息子にもヘルパーさんにも言わないよ。月に一回ここでだけのことだから聞いてください。正直元気だった妻が急に寝たきりになってしまって、医療不信を感じていることも事実。」ともおっしゃっていました。

 85歳で自分のことだけでも大変なのに、寝たきりの奥様の介護をきちんとなさっているのはすごいと思います。でも、実際毎日のこととなれば、我々にはわからない大変な苦労もあるでしょう。

 幸い健康診断でYさんには大きな異常は認められませんでした。私は医師として、今後もコミュニケーションを大切にし、少しでも話すことでYさんのストレスが軽減できるように努めていきたいと思っています。

 医師たるもの、検査をしたり投薬するのみならず、患者さんとじっくり話すことの大切さを教えられました。まさに、「病気を診ずして、病人を見よ。」ですね。と同時に、こうした老老介護の実態を実感させられました。

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2009年10月 7日 (水)

「リビング・ウィル」と尊厳死 自分の最後の迎え方

 「リビング・ウィル」という言葉を御存知でしょうか。英語でリビングは生きているということ、ウィルは遺言書という意味です。

 自分が治る見込みのない病気になり、末期の状態に陥った時、安らかな自然死を迎えたいという、「尊厳ある死」を自分で決定したいということです。

 人間は歳をとると、判断能力が鈍くなることもあり、ある程度自己判断ができるうちに自分の最後の迎え方(人工呼吸器、昇圧剤、点滴などの治療を受けるのか?)を決め、文書で残しておこうという動きが高まっています。そのため、高齢者の勉強会なども開かれているようです。ある調査では、そのうち9割の方は積極的な延命処置を望んでいないとのことです。

 一方、そうした動きに警鐘を鳴らす考えもあります。延命処置を全て否定することは怖いことで、本当に必要な治療の選択肢について詳しい説明を本人、家族が受けた上で決定すべきだと、ある往診専門医師は言っています。

 皆さんは、どう考えますか?積極的な延命治療を望むのか、ある程度の治療を望むのか、全く治療を希望しないのか、いろいろな選択肢がありますが、永遠の難しい問題です。

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2009年10月 2日 (金)

看護師さんが足りない!

 クリニックやデイサービス、老人ホームで働いてくださる看護婦さんが足りません。

 クリニックでは、点滴や採血の技術が必要、かつ高齢者との方々とのコミュニケーションも大切になってきます。デイサービスでは、創傷処置やバイタルチェックのほか、入浴介助や送迎などの介護的な要素も必要です。老人ホームでは、患者さんの状態も重度のことが多く、重症度をはかり判断する力、胃ろう・尿道カテーテル管理なども必要となり、より高い力量が問われます。

 それぞれの部署に合う看護師さんがなかなか見つからないのが現状です。家族環境で勤務が困難な場合もあるし、求めている看護技術に達していなかったりすることもあります。実際に資格は持っていても、ブランクがあったりして、実際に仕事をしていない看護師さんもたくさんいると聞きました。

 良い医療や福祉を提供するのに、看護師さんの協力は絶対に必要なものです。一緒に頑張れる看護師さんが来てくれることを祈りたいです。

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2009年9月24日 (木)

産婦人科の先生とのお話

 先日、産婦人科の女医さんとお話しする機会がありました。笑顔が素敵なとても親しみやすい先生でした。

 産婦人科医療の現状についてうかがってみたところ、「やはり医局の先生が少なくて大変だけれど、私の勤務している病院はテレビで報道されているほどではないと思う。」とおっしゃっていました。不妊治療について質問してみると、「人工受精から体外受精に変更するタイミングや考え方は施設によってさまざま。個人医院では患者の希望を優先することが多く、大学病院では人工授精を○回やってだめなら体外受精へと、病院ごとにマニュアル的なものがあることが多い。」とのこと。

 「45歳くらいで妊娠する人もいるし、今の時代、40代で妊娠出産する人も結構いますよ。」と聞いて、ちょっぴり希望が・・・

 なかなか有意義な時間でした。他の科の先生とお話しするのも楽しいものです。

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2009年8月27日 (木)

病院・開業医の倒産

 今年1~7月に倒産した病院・開業医は38件で、昨年1年間35件をすでに超えたそうです。

 病院も倒産する時代がやってきました。また、医師不足などの理由で閉院せざるを得ない病院も出てきています。でも、それで被害をこうむるのは、国民自身。特に、人工透析などを定期的に行っているような患者さんにとっては死活問題。透析を受けている病院がつぶれて無くなってしまえば困ってしまいます。遠くの別の病院に通うのも体力的にもとても大変なことですし・・・

 行く末、恐いですね。

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2009年8月20日 (木)

夏なのに新型インフルエンザの流行宣言

 30度を超える暑さが続く夏だというのに、新型インフルエンザの流行宣言が出されました。これは異例のことです。

 新型インフルエンザによる国内での死亡者も出て、秋や冬はどうなってしまうんだろうか?と、今から大変心配です。

 ワクチンの生産も遅れているみたいですね。とりあえず、うがいや手洗いを励行し、予防に努めたいものです。流行が蔓延せず、早く終息することを祈りたいですね。

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2009年8月12日 (水)

人間ドック、健康チェックの大切さ

 先日仕事で人間ドックの診察と結果説明をしていたら、大変な病気が見つかった方に遭遇いたしました。

 普段から体を鍛え、来月もマラソンの大会に出場を予定している61歳の男性でした。腹部エコーの検査で、膵臓、肝臓の多発性の腫瘍を認め、血液検査でも正常値をはるかに逸脱した肝胆道系酵素の上昇を認めていました。

 本人に体調の変化がなかったのかをうかがうと、「確かに少しだるい感じはしたが、大きな変化はなかった。云われてみると、1ヵ月で4kg体重は減りました。」とのこと。

 すぐに、総合病院の消化器内科に行くよう指導し、紹介状を持たせました。去年の人間ドックでは何の異常も見当たらないのに・・・それほど日常生活に支障をきたすような特別な自覚症状もないのに・・・たまたま人間ドックを受けたので見つかりましたが、受けなければもっと発見が遅れたことと思います。

 こうした症例に出会うと、改めて人間ドック、健康管理の重要性を感じます。どうせ毎年問題ないから受けなくていいや、と思わないで、きちんと検査を受けて健康チェックをしておくことは大切ですね。

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2009年8月 1日 (土)

メタボとナイシトール85とツムラ62 防風通聖散

 メタボが気になる中高年の方々に大人気なのが小林製薬の「ナイシトール85」

 腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちな肥満症の方々に効果があるといわれています。まさに、メタボな人にぴったりということで、私の母も内服しています。

 この主成分が「防風通聖散」です。

 医薬品としては、ツムラ62番が防風通聖散であり、保険診療で医療機関で処方してもらえます。ただし、1回2.5gの散剤のため、ナイシトールより飲みにくいですが、保険がきくので、コスト的には安いかもしれません。

 1日量で比べると、ツムラ62番は防風通聖散としての成分量は、ナイシトールの約2倍量含まれているので、理論上はより効果は高いと思います。もちろん、ナイシトールにはその他の生薬も18種類含まれているので、一概には言えませんね。

 食べすぎてメタボが気になる方は、試してみてはいかがでしょうか?

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2009年7月16日 (木)

特定保健用食品(トクホ)と健康食品

 メタボ検診も始まり、今、健康に気を使う人たちも多くなってきました。健康食品トとか、トクホといった言葉をよく耳にしますが、その違いは何なのでしょうか?

 「健康食品」とは、健康の保持増進に資する食品として販売・利用されるものを総称するものを指します。健康食品には、実際に健康の保持増進効果があるかどうかが確認されているものもあれば、そうでないものもあります。

 このうち、国がその健康保持増進効果を確認したものが「保健機能食品制度」で、保健機能食品には「特定保健用食品(トクホ)」と「栄養機能食品」があります。つまり、トクホは国のお墨付きがあるわけですね。

 ちなみに、愛好者も多い「サプリメント」は健康食品に含まれ、国がその効果を確認したものではありません。

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2009年7月13日 (月)

タモリさんと白内障手術

 タモリさんが白内障手術を受けるため、1週間「笑っていいとも!」をお休みするそうです。

 月から金まで帯での生番組をずっとやってきたタモリさん。本当にすごいです。60過ぎになれば、誰でも少なからずおきてくる白内障。手術自体は局所麻酔で20分ぐらいで終わると思います。

 手術をしてばっちり見えるようになっていいともに復帰し、またタモリ節を聞かせていただきたいものです。

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