2009年10月13日 (火)

老老介護の現実

 クリニックの外来に月に一回通院している85歳の男性がいます。Yさんは奥様との二人暮しです。その奥様は2年前に腎臓の手術をとある大学病院で受けた際に合併症を併発し、以後意識障害が残り、介護が必要な状態になったそうです。

 Yさんが毎日の家事を担当。三度の食事は奥様が食べれるようにミキサー食を作り、1~2時間かけて食事介助をし、食べさせてあげているとのことです。洗濯は毎日、掃除は週に一回ぐらい。買物は隣駅に住む娘さんが買ってきて届けてくれるそうです。

 Yさん曰く、「若い頃女房にも迷惑かけたので、今恩返しをする番。でも、声をかけても、返事が返ってこないのが寂しい。言葉を介してコミュニケーションをとれないのがとても辛い。」とのいこと。

 続いて、「こんな愚痴は娘にも息子にもヘルパーさんにも言わないよ。月に一回ここでだけのことだから聞いてください。正直元気だった妻が急に寝たきりになってしまって、医療不信を感じていることも事実。」ともおっしゃっていました。

 85歳で自分のことだけでも大変なのに、寝たきりの奥様の介護をきちんとなさっているのはすごいと思います。でも、実際毎日のこととなれば、我々にはわからない大変な苦労もあるでしょう。

 幸い健康診断でYさんには大きな異常は認められませんでした。私は医師として、今後もコミュニケーションを大切にし、少しでも話すことでYさんのストレスが軽減できるように努めていきたいと思っています。

 医師たるもの、検査をしたり投薬するのみならず、患者さんとじっくり話すことの大切さを教えられました。まさに、「病気を診ずして、病人を見よ。」ですね。と同時に、こうした老老介護の実態を実感させられました。

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2009年10月 7日 (水)

「リビング・ウィル」と尊厳死 自分の最後の迎え方

 「リビング・ウィル」という言葉を御存知でしょうか。英語でリビングは生きているということ、ウィルは遺言書という意味です。

 自分が治る見込みのない病気になり、末期の状態に陥った時、安らかな自然死を迎えたいという、「尊厳ある死」を自分で決定したいということです。

 人間は歳をとると、判断能力が鈍くなることもあり、ある程度自己判断ができるうちに自分の最後の迎え方(人工呼吸器、昇圧剤、点滴などの治療を受けるのか?)を決め、文書で残しておこうという動きが高まっています。そのため、高齢者の勉強会なども開かれているようです。ある調査では、そのうち9割の方は積極的な延命処置を望んでいないとのことです。

 一方、そうした動きに警鐘を鳴らす考えもあります。延命処置を全て否定することは怖いことで、本当に必要な治療の選択肢について詳しい説明を本人、家族が受けた上で決定すべきだと、ある往診専門医師は言っています。

 皆さんは、どう考えますか?積極的な延命治療を望むのか、ある程度の治療を望むのか、全く治療を希望しないのか、いろいろな選択肢がありますが、永遠の難しい問題です。

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2009年10月 2日 (金)

看護師さんが足りない!

 クリニックやデイサービス、老人ホームで働いてくださる看護婦さんが足りません。

 クリニックでは、点滴や採血の技術が必要、かつ高齢者との方々とのコミュニケーションも大切になってきます。デイサービスでは、創傷処置やバイタルチェックのほか、入浴介助や送迎などの介護的な要素も必要です。老人ホームでは、患者さんの状態も重度のことが多く、重症度をはかり判断する力、胃ろう・尿道カテーテル管理なども必要となり、より高い力量が問われます。

 それぞれの部署に合う看護師さんがなかなか見つからないのが現状です。家族環境で勤務が困難な場合もあるし、求めている看護技術に達していなかったりすることもあります。実際に資格は持っていても、ブランクがあったりして、実際に仕事をしていない看護師さんもたくさんいると聞きました。

 良い医療や福祉を提供するのに、看護師さんの協力は絶対に必要なものです。一緒に頑張れる看護師さんが来てくれることを祈りたいです。

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2009年9月24日 (木)

産婦人科の先生とのお話

 先日、産婦人科の女医さんとお話しする機会がありました。笑顔が素敵なとても親しみやすい先生でした。

 産婦人科医療の現状についてうかがってみたところ、「やはり医局の先生が少なくて大変だけれど、私の勤務している病院はテレビで報道されているほどではないと思う。」とおっしゃっていました。不妊治療について質問してみると、「人工受精から体外受精に変更するタイミングや考え方は施設によってさまざま。個人医院では患者の希望を優先することが多く、大学病院では人工授精を○回やってだめなら体外受精へと、病院ごとにマニュアル的なものがあることが多い。」とのこと。

 「45歳くらいで妊娠する人もいるし、今の時代、40代で妊娠出産する人も結構いますよ。」と聞いて、ちょっぴり希望が・・・

 なかなか有意義な時間でした。他の科の先生とお話しするのも楽しいものです。

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2009年8月27日 (木)

病院・開業医の倒産

 今年1~7月に倒産した病院・開業医は38件で、昨年1年間35件をすでに超えたそうです。

 病院も倒産する時代がやってきました。また、医師不足などの理由で閉院せざるを得ない病院も出てきています。でも、それで被害をこうむるのは、国民自身。特に、人工透析などを定期的に行っているような患者さんにとっては死活問題。透析を受けている病院がつぶれて無くなってしまえば困ってしまいます。遠くの別の病院に通うのも体力的にもとても大変なことですし・・・

 行く末、恐いですね。

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2009年8月20日 (木)

夏なのに新型インフルエンザの流行宣言

 30度を超える暑さが続く夏だというのに、新型インフルエンザの流行宣言が出されました。これは異例のことです。

 新型インフルエンザによる国内での死亡者も出て、秋や冬はどうなってしまうんだろうか?と、今から大変心配です。

 ワクチンの生産も遅れているみたいですね。とりあえず、うがいや手洗いを励行し、予防に努めたいものです。流行が蔓延せず、早く終息することを祈りたいですね。

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2009年8月12日 (水)

人間ドック、健康チェックの大切さ

 先日仕事で人間ドックの診察と結果説明をしていたら、大変な病気が見つかった方に遭遇いたしました。

 普段から体を鍛え、来月もマラソンの大会に出場を予定している61歳の男性でした。腹部エコーの検査で、膵臓、肝臓の多発性の腫瘍を認め、血液検査でも正常値をはるかに逸脱した肝胆道系酵素の上昇を認めていました。

 本人に体調の変化がなかったのかをうかがうと、「確かに少しだるい感じはしたが、大きな変化はなかった。云われてみると、1ヵ月で4kg体重は減りました。」とのこと。

 すぐに、総合病院の消化器内科に行くよう指導し、紹介状を持たせました。去年の人間ドックでは何の異常も見当たらないのに・・・それほど日常生活に支障をきたすような特別な自覚症状もないのに・・・たまたま人間ドックを受けたので見つかりましたが、受けなければもっと発見が遅れたことと思います。

 こうした症例に出会うと、改めて人間ドック、健康管理の重要性を感じます。どうせ毎年問題ないから受けなくていいや、と思わないで、きちんと検査を受けて健康チェックをしておくことは大切ですね。

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2009年8月 1日 (土)

メタボとナイシトール85とツムラ62 防風通聖散

 メタボが気になる中高年の方々に大人気なのが小林製薬の「ナイシトール85」

 腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちな肥満症の方々に効果があるといわれています。まさに、メタボな人にぴったりということで、私の母も内服しています。

 この主成分が「防風通聖散」です。

 医薬品としては、ツムラ62番が防風通聖散であり、保険診療で医療機関で処方してもらえます。ただし、1回2.5gの散剤のため、ナイシトールより飲みにくいですが、保険がきくので、コスト的には安いかもしれません。

 1日量で比べると、ツムラ62番は防風通聖散としての成分量は、ナイシトールの約2倍量含まれているので、理論上はより効果は高いと思います。もちろん、ナイシトールにはその他の生薬も18種類含まれているので、一概には言えませんね。

 食べすぎてメタボが気になる方は、試してみてはいかがでしょうか?

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2009年7月16日 (木)

特定保健用食品(トクホ)と健康食品

 メタボ検診も始まり、今、健康に気を使う人たちも多くなってきました。健康食品トとか、トクホといった言葉をよく耳にしますが、その違いは何なのでしょうか?

 「健康食品」とは、健康の保持増進に資する食品として販売・利用されるものを総称するものを指します。健康食品には、実際に健康の保持増進効果があるかどうかが確認されているものもあれば、そうでないものもあります。

 このうち、国がその健康保持増進効果を確認したものが「保健機能食品制度」で、保健機能食品には「特定保健用食品(トクホ)」と「栄養機能食品」があります。つまり、トクホは国のお墨付きがあるわけですね。

 ちなみに、愛好者も多い「サプリメント」は健康食品に含まれ、国がその効果を確認したものではありません。

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2009年7月13日 (月)

タモリさんと白内障手術

 タモリさんが白内障手術を受けるため、1週間「笑っていいとも!」をお休みするそうです。

 月から金まで帯での生番組をずっとやってきたタモリさん。本当にすごいです。60過ぎになれば、誰でも少なからずおきてくる白内障。手術自体は局所麻酔で20分ぐらいで終わると思います。

 手術をしてばっちり見えるようになっていいともに復帰し、またタモリ節を聞かせていただきたいものです。

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2009年7月11日 (土)

男性の「拒食症」

 拒食症といえば、若い女性の病気というイメージがありますが、男性も拒食症になるそうです。例えば、作家のフランツ・カフカは死後、複数の臨床医によって拒食症だったとの診断を下されています。

 拒食症の原因は、スリムなモデルや偏った美的感覚を押しつけるメディアにあるとの批判もありますが、その原因はもっと複雑なものであるようです。食べないことで自己の存在が高められたと感じる患者さんもいるとのこと。食事を抜くとか体重を1キロ減らすとか、そうした小さな勝利の積み重ねに達成感を感じるらしいです。

 「飢えを選ぶー欲望と自己否定、拒食症克服の記録」は、男性患者を含む19人の拒食症患者の体験談をまとめたものです。同書の著者たちの体験は、世間の固定観念とはかけ離れたものです。「食べれば治ることなのに、なぜ?」と思いがちですが、複雑な深層心理があるのでしょうね。

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2009年7月 3日 (金)

川村カオリさん 乳がんがさらに転移

 歌手の川村カオリさんが、乳がんがさらに転移していたことを発表しました。

 自身が乳がんであることを昨年発表し、乳がん検診の啓蒙活動や音楽活動などを積極的に行ってきた川村さん。シングルマザーとして子育ても頑張っていました。

 お子さんのためにも、がんに負けないでもらいたいです。

 

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2009年6月25日 (木)

ドクターヘリ

 先日、私の勤務するクリニックのスタッフの御主人が、ゴルフ中にカートから転倒し、頭部を打撲、頭蓋骨骨折、脳挫傷を受傷し、ドクターヘリにて救急病院に転送されるも約6時間後に亡くなられるという悲しいことがありました。57歳という若さでした。

 夫のこともあったので、くも膜下出血と外傷による違いがあるとはいうものの、愛する夫が急にいなくなってしまったという点では同じ状況なので、とても他人事とは思えない気持ちになりました。

 福島県ではドクターヘリの制度を導入していますが、今回はその甲斐もなく残念な結果となりました。

 ドクターヘリは予想を上回る稼働率で莫大な費用がかかり、多くの県で公費ではとてもまかなえないことが現状のようです。山間部の医療過疎地区などでは必要な医療システムだと思いますが、お金がかかることも事実。今後、どうなっていくのでしょうか?

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2009年6月22日 (月)

臓器移植法改正の動き

 臓器提供の条件緩和などを盛り込んだ臓器移植法の改正案について、子供の脳死、臓器移植をどうとらえるかが議論となっています。先日、「脳死は人の死」とするA案が国会を通過しました。

 以前の私は、脳死を人の死と判定するのに、それほど抵抗はありませんでした。しかし、最愛の自分の夫が脳死状態になり、まだ、体も温かく心臓も動いているのに、それを死と判定することには正直抵抗があります。頭では、いずれは心臓死がやってきて、助からないことはわかっていても・・・脳死に関しての考え方が変化したのも事実です。

 それが小さい子供だったら、なおさらそうなのでは?とも考えてしまいます。

 ただ、重症の病気で、臓器移植が唯一の治療であり、それを待ち望み苦しんでいる子供達やその家族のことを思うと、国内で移植が可能になれば・・・という思いも十分わかります。

 脳死を受け入れることができない人もいれば、脳死を受け入れ、臓器移植により助かる命があるならば、提供したいと考える人もいるでしょう。人それぞれ考え方はさまざまですから。

 一律ではなく、色々な方法が選択でき幅広い対応が取れるように、改正するのが良いのではないかと私は思います。「失われる命と助かる命・・・」いくら考えても本当に難しい問題です。個人的には、脳死ー臓器移植ですんなりハイとはやっぱり言えません。

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2009年6月10日 (水)

不妊症治療とその苦悩

 身近な人が不妊症で悩んでいます。子宮内膜症で手術しましたが再発し、卵管閉塞もあり、自然妊娠の確率はかなり低いと言われたそうです。

 複数の病院の不妊外来を受診しましたが治療方針も異なり、彼女自身もどうしたらよいか、どこまですべきか、とても悩んでいます。

 不妊の治療はタイミング療法から体外受精、人工授精とさまざま・・・不妊治療を行ったからといって必ず妊娠するという保障もなく、治療のための通院にも多ければ月の半分ぐらいかかることもあり、大変なようです。

 旦那様は「二人の生活も楽しいし、君に任せるよ。そうくよくよすることない。」と励ましてくれています。彼女は夫が大の子供好きなことも知っているし、妻の自分をいたわるその優しさが手に取るようにわかるがゆえに、さらに思い悩み、と同時に夫に申し訳ないという気持ちも芽生えてくるようです。

 妊娠を望んでいなくても妊娠し堕胎手術を受ける人もいれば、子供が欲しくてもできずに苦しむ人もいる・・・世の中不条理なものですね。

 私は、「吉永小百合さんや山口智子さんのように、子供がいなくても輝いている人もたくさんいる。信頼できる医師と相談しながら納得の治療をしたら・・・結果のことは神のみぞ知る。天命に委ね、自分らしい楽しい人生を送ることが大事。あまり思い詰めないように・・・」とアドバイスしました。治療がうまくいって、子供が授かるといいなあと心から祈っています。

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2009年6月 6日 (土)

浅野史郎さんと成人T細胞白血病

 前宮城県知事で慶応大教授の浅野史郎さんが、急性白血病のため東大病院に入院しました。

 浅野氏は約5年前に成人T細胞白血病のウィルス保有者ということが判明し、経過観察をしていましたが、白血球の数値が悪化し発症が確認され入院、治療に専念することになったようです。

 成人T細胞白血病とは、九州地方を中心にキャリアーがいるといわれ、白血球の一種のリンパ球のうちT細胞がウィルスに感染し、白血病細胞に変化していくという特殊な白血病です。

 浅野氏は、九州でなく東北出身なのに成人T細胞白血病と聞いて、少し驚きました。

 骨髄移植も必要なのではとの報道もありましたが、とりあえず週明けから化学療法の治療の予定だそうです。

 東大卒業後、官僚、県知事、大学教授と、エリートコースを歩み、最近はコメンテーターとしてテレビ出演も多かった浅野氏。趣味がジョギング、マラソンのスポーツマンとも聞いていたので、大変びっくりしました。歌舞伎の市川団十郎さんや俳優の渡辺謙さんも白血病を克服し、復帰されています。白血病の化学療法は発熱、吐き気、脱毛など強い副作用もあると思いますが、頑張って寛解してほしいと思います。

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2009年5月26日 (火)

山城新伍さんと老人ホーム

 山城新伍さんが都心から車で40分の老人ホームに入所中との記事を週刊誌で読みました。

 山城さんといえば、軽妙な司会で一時はレギュラー番組を多数抱えていらっしゃいましたね。いつからか最近テレビでお姿を見かけないなあと思っていたら、現在は糖尿病が悪化し、時々認知症のような症状が出ることもあるそう。大親友の梅宮辰夫さんのことも分からないこともあり、梅宮さんもだいぶ心配されているようです。「娘に会いたい・・・」とよくおっしゃっていらっしゃるそうです。

 ちょめちょめで有名なの「アイアイゲーム」や島田紳助さんと二人で司会をしていた「あぶない話」を日曜日の夜に毎週見ていたので、あの山城さんが今のような状態になってしまったことに、驚きも覚えるし、寂しい感じもあります。まだまだテレビで大活躍していて欲しかったです。

 誰にでも「老い」は平等にやってくるもの・・・そうした避けることのできない老化とどう付き合っていくのか?やはり普段から社会活動に積極的に参加し、病気はしっかりと予防・治療し、自分自身を厳しく律して日々の生活を送ることが大切なのではないかと思います。

 あと30~40年経ったら自分はどうなっているのかしら?と想像すると、ちょっぴり不安です。

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2009年5月16日 (土)

受精卵取り違え問題と不妊治療施設の安全管理

 厚生労働省の調査で、不妊症の安全管理のマニュアルを整備していない施設が4分の1にのぼることがわかりました。

 つい先日も香川県中央病院で受精卵取り違え問題が起きたばかりです。

 子供ができないことに悩み、不妊治療に大きな時間と費用をかけて取り組んできたカップルにとって、受精卵・精子・卵子の識別の間違いはあってはならないこと。医療人としても、絶対に犯してはならないミスだと思います。

 さらに16%の施設で、ダブルチェックをしていないという事実も判明しました。輸血の際などにも複数の人数で確認するのは常識なのに、ずさんな不妊治療施設の安全管理に驚きました。もちろん、徹底した管理体制で治療を行っている施設もたくさんあると思いますが・・・

 私の妹も不妊に悩み、治療を始めようかと考えているようなので、こうした取り違え問題が起こらないようにしっかりとした安全管理のもとでの不妊治療が行われることを望みたいものです。

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2009年5月 3日 (日)

忌野清志郎さんと喉頭がん・癌性リンパ管症

 忌野清志郎さんが癌性リンパ管症でお亡くなりになりました。58歳でした。

 喉頭がんが見つかりその後再発し、闘病されていました。忌野さんは、音楽界に与える影響も大きく、ミスチルの桜井さんなどもエールを送っていましたよね。

 私の妹が耳鼻科医をしていますが、「耳鼻科領域のがんは、頚部の病巣から出血したり化膿して膿が吹き出たり、非常につらく大変なことが多いのよ。」と言っていました。

 私の中での忌野さんといえば、坂本龍一さんらと組んで発表した「いけないルージュマジック」が印象的です。当時としては画期的なメイクをしてテレビに登場し、過激なパフォーマンスで熱唱していた姿が思い起こされます。

 今は大ヒット曲も生まれにくく、CDの売れ行きも伸び悩む、音楽業界にとって厳しい時代ですが、後世のミュージシャンの方々には、忌野さんの愛したロック音楽の魂を引き継いで、心に残るような良い音楽をどんどん作り出していってもらいたいなあと思います。心からの御冥福をお祈り申し上げます。

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2009年4月22日 (水)

有料介護付き老人ホームの医療に携わって

 先日、私が勤務するクリニックで、有料介護付き老人ホームがオープンしました。

 その入所者の医療や健康管理を担当して思うことは、家族がとても優しいことです。老人ホームに高齢者を追いやったという、うば捨て山的な考えを持ち、入所をためらう方もいらっしゃいますが、ホームでの実際の生活を拝見していると、全くそのような印象はありません。

 毎日、苺やケーキなどを差し入れにくる方、子供や孫が代わる代わる面会に来る方、新しい家具やテレビを入所者のために用意してくれる家族・・・

 医療サイドとしては、健康管理や投薬の変更、リハビリの計画などについてお話したい時に、皆様とても協力的に話を聞きに来てくれるので診療をスムーズに進めやすく、またやりがいもあります。

 ただし、全員が全員そうというわけではありません。有料介護付き老人ホームは、比較的経済的にある程度余裕のある方が入所されているせいもあるのかもしれませんね。家族愛を感じることが多い診療の日々です。

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2009年4月 9日 (木)

ハリセンボンの箕輪はるかさんと肺結核

 ハリセンボンの箕輪はるかさんが、肺結核に罹患し入院しました。

 肺結核といえば、昔は不治の病といわれ、生命を失う若者もたくさんいました。現在は、抗生物質の開発により治療法は格段に進歩しました。しかし、高齢者を中心に依然として多くの感染者が存在します。また、若年層でも不規則な生活などで免疫力が落ちている場合には、肺結核になることも珍しくはありません。

 肺結核において、排菌していない場合には、結核菌がばら撒かれないため他者への感染のリスクが低いので外来での投薬治療になることも多いのです。箕輪さんの場合、入院治療になったということは、排菌していたということだと思います。結核病棟での隔離された長く辛い治療になりそうで、より重症といえるでしょう。せっかく彼氏もできて、仕事も順調であったのに可哀想ですね。

 飛沫感染するので、相方の近藤春菜さんやマネージャーさんへの感染が心配でしたが、大丈夫だったようなのでひと安心です。箕輪さんに早く治して元気になって、復帰して欲しいと思います。

 今回のことで、芸能界でも結核感染パニックが広がっているのだとか。

 原因不明の長引く咳が続いたら、軽く考えずに病院を受診し、胸部レントゲン検査や喀痰検査を受けるようにしましょう。

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2009年4月 8日 (水)

水嶋ヒロさん&絢香さんの結婚 Basedow(バセドー)病

 俳優の水嶋ヒロさんと歌手の絢香さんが結婚を発表されました。

 いきなりの結婚報道でびっくりしましたが、お二人の会見は実にすがすがしいものでした。バセドー病を持ち、病に苦しむ絢香さんを病気ごと守ってあげたいというストレートな水嶋さんの気持ちが伝わってきました。絢香さんを心から大事に思う姿に力強さも感じましたね。水嶋さんは男っぷりもあげたと思います。

 バセドー病は、自己抗体によって甲状腺が刺激されることにより、甲状腺が肥大し、甲状腺機能亢進を起こす疾患です。頻脈、眼球突出、下痢、発汗異常、高血糖など多彩な症状を引き起こす病気です。

 病気に負けないで、二人で力を合わせて幸せな家庭を築いていっていただきたいと思います。

 絢香さんは、今年いっぱいで歌手活動は休止して家庭に入るということのようです。個人的には、絢香さんの歌声が大好きだったので、その歌声が聴けなくなってしまうのがちょっぴり寂しいですが・・・

 24歳と21歳のとても若いカップルですが、この二人なら様々な困難もl乗り越えていけそうですね。末永くお幸せに・・・

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2009年4月 6日 (月)

がんの陽子線治療

 国民の3人に1人が発症するといわれるがん。

 私の故郷に、がん治療に大きな役割を担うであろう「南東北がん陽子線治療センター」がオープンしました。

 陽子線治療は、高齢者にやさしく外来による治療も可能で、従来の放射線照射や手術では困難な疾患にも、優れた効果を発揮します。

 陽子線治療の有効性が確認されている代表的な疾患としては、前立腺がん・肝がん・肺がん・頭蓋内病変・頭頚部腫瘍(上咽頭がん、副鼻腔がんなど)などです。

 この病院では、がんの克服を理念に掲げていることもあり、PETなどもいち早く導入。私の父もPET検診を受け偶然腎臓がんが発見され、早期治療を行うことができ、今は元気に生活しています。

 地元でこうした最先端の治療を受けることができることは、地域住民にとってもとても喜ばしいことです。

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2009年3月29日 (日)

第103回医師国家試験 合格発表

 第103回医師国家試験の合格発表がありました。

 全体の合格率は91.0%と、前回の90.6%から0.4%ほど上昇しました。

 ちなみに、千葉大、防衛医大、兵庫医大、滋賀医科大の4校は、新卒合格率100%でした。素晴らしい結果です。

 合格率の良い大学は、常に安定していますね。私の母校も今年は新卒合格率がかなり良かったので、OBとして嬉しく思いました。

 今、医療はいろいろな問題を抱えています。合格された皆さんには、良い医師を目指して頑張っていただきたいと思います。

 一方、歯科医師国家試験の合格率は67.5%と、医師国家試験と比べてだいぶ低かったようです。GReeeeNの二人は合格できたのか気になります。

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2009年3月24日 (火)

2009東京マラソン 松村邦洋さんと急性心筋梗塞・心室細動

 先日3月22日(日)に行われた東京マラソン。芸能人や政治家を含む約35000人のランナーが都心を駆け抜けました。

 参加者のうち、病気やけが等で救急搬送されたのが20名。うち意識消失を認めたのが4名。(4名はいずれも意識回復)そのうちの1人がタレントの松村邦洋さんでした。

 松村さんは、15キロ付近で倒れ一時心肺停止となりました。原因は急性心筋梗塞による心室細動のようです。

 心室細動とは、心臓の電気信号がうまく伝わらなくなり、心筋が無秩序に収縮し、小刻みに震え出すというかなり危険な不整脈です。突然死の原因となることも多いわけですが、今回松村さんは、電気的除細動により一命を取り留めました。現在も入院中で、退院のメドは立っていないそうです。まさに、半分死にかけたといった状態だったと思います。

 元横綱の曙太郎さんも参加を予定していましたが、ドクターストップがかかり、出場辞退になったようです。

 二人に共通することは、極度の肥満。やはり、肥満や高血圧などの持病がある方は、よほど注意してマラソンを行うことが必要だと思います。

 2016年の東京オリンピックの招致に向け、いい景気付けになったと思いますが、松村さんの病状は心配ですね。

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2009年3月14日 (土)

ボクシングの長谷川穂積選手と母のがん

 WBCバンタム級タイトル戦で、長谷川穂積選手が8度目の防衛を果たしました。

 彼のお母様は大腸がんにおかされ、現在兵庫県の病院に入院治療中。最先端の陽子線治療にかかる費用は、1回の入院で300万円です。その費用は長谷川選手のファイトマネーから捻出されています。

 お母様は、「この病院に来る前にも、いいといわれるあらゆる治療を受けさせてもらった。こんなに素晴らしい治療を受けさせてもらって、もう充分という気持ちでいっぱい・・・」とおっしゃっていました。

 長谷川選手が若い頃、くじけて挫折しそうになった時、勇気付け支えてくれたのがお母さん。長谷川選手も、「どんな手を尽くしても母を助けたい。母の闘っているがんという病に比べれば、僕の目の前のボクシングの敵は小さなものにすぎない。」と言っていました。

 地元神戸での1ラウンドTKO勝ちは見事でした。お母様もとてもうれしそうでしたね。防衛後のインタビューでも、現状に満足することなく、「さらに強くなりたい!」という意気込みが伝わってきました。自分のためのみならず、母のためにも・・・そうした気持ちが長谷川選手をより一層奮い立たせているのでしょうね。

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2009年3月11日 (水)

母の親友の死と盲腸がん 思い出の喪服

 3月6日に私の母の最も仲の良かった親友の方が永眠されました。

 2008年の9月頃から風邪をひいて調子が悪いとおっしゃっておりましたが、盲腸がん原発及び転移性肝がんとわかりました。盲腸や上行結腸病変に対しての外科的手術や抗がん剤治療行いましたが、残念な結果となってしまいました。

 非常に心の暖かい人でした。私は彼女に喪服のサイズ直しをしてもらいました。そして、その喪服を着て、亡き夫の法事に参加しました。今後、この喪服に袖をとおすたび、夫や彼女のことを思い出すことになるでしょう。

 盲腸がんは自覚症状が出ないことも多く、気がついた時には手遅れのことも多いがんです。グラビアアイドルで活躍中だった村上恵梨さんも、闘病わずか半年あまりで、26歳の若さで盲腸がんにて急逝されましたね。

 「調子が悪くなって半年、入院して3ヶ月。なんでこんなにいい人が、珍しいがんになってこんなに早く逝ってしまったのだろう・・・」という思いが生じます。

 大切な人がいなくなってしまうことは、本当につらいことです。心からお悔やみ申し上げます。合掌。

 

 

 

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2009年3月 8日 (日)

レーシック手術の危険性

 東京都中央区のクリニックでレーシック手術を受けた67人が、感染性角膜炎などを発症した問題で、うち2人は角膜の移植が必要な状態であることが分かりました。

 レーシック手術は、眼鏡やコンタクトレンズを使用しないと視力が出ない近視の方に急速に広まった手術です。プロゴルファーのタイガー・ウッズなども受けたことで有名になりました。

 きちんとした清潔区域で行えば問題ないのでしょうが、こうした事態が報道されるとやはり怖い思いも生じるし、躊躇う方も増えるのではないでしょうか。

 私も近視ですが、程度も軽度ですし、コンタクトレンズの使用であまり問題もないので、このまま様子を見ようかと思っています。

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2009年3月 5日 (木)

ケアマネージャーの退職

 10年前、クリニックと介護サービスの立ち上げに共に携わってきた職員が、2月末をもって退職しました。

 彼女はもともと看護師であり、介護保険制度の開始と同時にケアマネージャーの資格を取り、更には在宅介護支援センター、地域包括センター所長とどんどんキャリアアップし、地域医療に貢献してくれました。

 意見がぶつかり合うこともありましたが、今考えるとそれは我が施設を大切に思うがゆえの発言や行動であったと思います。

 行政やサービス利用者にも大変人望厚く、皆が信頼を寄せ、リーダーシップを発揮してくれました。僅か数名から始まった通所リハビリ、開院初日患者さん11人から始まった外来で看護師として頑張ってくれたことetc.・・・いろいろなことが思い出され、非常に感慨深い思いが胸にこみ上げてきました。

 今まで仕事中心だった分、今後は家族との時間を大切にしていきたいとのこと。10年間どうもありがとう!の気持ちでいっぱいです。

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2009年3月 4日 (水)

織田信長と糖尿病

 混乱する戦国の世の中、天下布武を掲げ、天下統一を目指していた織田信長。そんな信長は、糖尿病を患っていたそうです。

 五層七重の天守閣を持つ安土城に移って、糖尿病性神経障害と思われる下肢のしびれや痛みに悩まされていたんだとか。ジンジンする痛みがなければ、光秀に対する虐げも、本能寺の変もなかった可能性もあり、日本の歴史が変わっていたかもしれませんね。

 亡き夫も信長が活躍していた戦国時代の日本の歴史が大好きでした。ちなみに最も好きな武将は、秀吉の知恵袋といわれる「黒田如水」と言っていました。

 信長も患っていた「糖尿病」は、今、成人人口の5人に1人が該当者か予備軍と言われています。三大合併症が天下を揺るがしかねません。皆さん、食生活には十分気を付けましょう。

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2009年2月26日 (木)

医師の働き方の多様化

 最近は、医師の働き方も多様化しているようです。

 バイト医師にとって、高額の報酬で拘束の日数が少ないため、当直専門の医師も登場しているのだとか。

 研修医制度の変革や国立大学の独法化により医師のバイトの基準が厳しくなり、かつては大学の医局に依頼することで、当直や学会出張における外来の穴埋めができていたのが次第に困難になってきている傾向があります。

 そうした状況を反映してか、医師紹介業も増加傾向にあります。時代も変貌していますね。

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2009年2月25日 (水)

CKD(慢性腎臓病)とは?

 最近、慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)が注目されています。

 腎機能が正常よりやや悪い状態や、腎機能は悪くなくても蛋白尿が出ている状態が3か月以上続くと、CKDと診断されます。

 そのまま放置すれば、透析などが必要な末期腎不全に至る可能性もある病気です。心筋梗塞や脳梗塞などの危険性も高めます。

 しかし、治療可能な病気です。血圧や血糖、脂質のコントロールが重要で、管理目標値は、血圧:130/80mmHg未満、血糖:HbA1c6.5%未満、LDLコレステロール:120mg/dL未満となっています。

 現在、日本では約1300万人、つまり、20歳以上の8人に1人がCKDであると考えられており、日本における新たな国民病と言えるでしょう。

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2009年2月20日 (金)

がん患者の家計の苦悩

 テレビで30歳代後半から40歳代前半の、比較的若いがん患者の方々の抗がん剤などの治療費の負担の厳しい現況についての特集を見ました。

 看護師をしていた現在40歳の女性は15歳と6歳の二人の子供と夫婦の4人家族。下の子供が生後6か月の時にがんに罹患し、その後5年間、がん治療を続けています。病気のために仕事も続けられなくなり、貯金も底をつきました。実際に彼女は、抗がん剤治療のために月8万円の費用が必要なのだそうです。がんも悪化し、さらに強い抗がん剤を使わなければならなくなり、今後はがん治療に月30万円が必要になるとのこと。我が子が小学校に通うランドセル姿を見たいという願いもあり、長く生きたいという思いは強くあります。しかし、がん治療にかかる莫大な費用をどう工面するか・・・どうすべきか葛藤する姿が画面を通して伝わってきました。

 その他にも、子供が学校に入るので抗がん剤治療は断念せざるを得ないと、アンケートに回答していた30歳代の男性患者もいました。実際に経済的理由で抗がん剤治療からドロップアウトしていく患者さんもいるそうです。

 抗がん剤治療にそんなにお金がかかるとは思いませんでした。病気で体力も落ち、抗がん剤の副作用でつらいにもかかわらず、命の心配のみならずお金の心配もしなくてはならないなんて、残酷すぎると思いました。

 番組内でも、がん患者の方々が行政への働きかけをしていましたが、外来での抗がん剤治療の公的援助などの必要性も感じました。しかし、医療費が増え続けている日本の今の状況では、実際には困難なこともまた事実・・・もどかしさを痛感せざるを得ません。

 

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2009年2月13日 (金)

介護付き有料老人ホーム

 高齢化社会の到来とともに、最近では介護付き有料老人ホームもだいぶ増えてきました。

 ただし、首都圏では一時入居金が数千万円~億単位でかかることところもあり、その他にも1か月で最低20万円ぐらいの費用が必要です。このような経済的問題、かつ特に地方では施設に預けたのでは世間体が悪いという思いが強く残っていることもあり、高齢者本人が望んでも家族に入居を反対される場合も多く、皆がホームに入れるわけではありません。

 今、世界、そして日本も、経済・金融・医療・福祉etc.・・・さまざまなことにおいて変革の時期に差しかかっています。人口動態が変化し、不安定なご時勢の中、介護や福祉問題を今後どのような方向性へ転換していけばよいのか、熟慮する時期に来ていると強く感じます。

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2009年2月12日 (木)

遅発性統合失調症

 テレビで遅発性の統合失調症に悩む60歳代の女性の特集を見ました。

 彼女は、大学卒業後に会社社長と結婚。その後、長男と長女の二人の子宝にも恵まれ、生活していましたが、数年前に一家離散となり離婚。そして、アパートで独り暮らしをしていましたが、「電磁波が邪魔している。誰かが私を見張っている。」などの妄想が出現し、次第にエスカレート。近所の方々ともトラブルを起こすようになりました。

 娘さんもなかなか踏ん切りがつかず、本人も病気と認めようとはせず、困難を極めていましたが、なんとか病院へ行き、「遅発性統合失調症」と診断され、現在入院治療中です。

 一般的に統合失調症は若年層に多いといわれていましたが、彼女のように、高学歴な中高年の女性が離婚や死別により独居となり、その孤独感が引き金となって発症する遅発性の統合失調症が増えているそうです。

 このような疾患は患者本人のみならず、家族のサポートも大切になってきますね。

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2009年2月10日 (火)

鳥越俊太郎さんの大腸がんの肝転移

 ジャーナリストの鳥越俊太郎さんが、がんが肝臓に転移したことを明らかにしました。

 コメンテーターを務める番組内で、肝臓の手術のためしばらく休むことを発表しました。2007年には、肺の転移のため右肺切除手術を受けられました。

 数年前、帝国ホテルのレストランで、鳥越さんを偶然お見かけしたことがあるのですが、イメージ通り知的でダンディな素敵な方でした。

今回も、無事手術を乗り切って、お元気な姿で戻ってこられることを願いたいと思います。

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2009年2月 6日 (金)

飯島愛さんの孤独死 死因は肺炎

 昨年12月24日、都内の自宅で死亡しているのを発見された元タレントの飯島愛さん(享年36歳)の死因が、肺炎だったことがわかりました。

 行政解剖では死因の特定には至りませんでしたが、詳しい病理検査の結果、肺炎だったことが判明したようです。

 肺炎は高齢者の死因としてはいまだに多い病気ですが、飯島さんのように30歳代と若く、大きな基礎疾患がない方の死因としてはそれほど多くないと思います。現在は医学が進歩し、抗生物質などの治療薬も有効なので、早く発見されていれば助かった命だと思います。

 一人暮らしは危険と隣り合わせです。家族と一緒に暮していれば、病気や体調の不良なども家人が察知して対処もできますが、一人暮らしだとそうはいかず、飯島さんのように悲しい結末になってしまうこともあります。

 てんかんの発作で意識を消失しそのまま発見が遅れ、志半ばで医学部3年生の時、命を落としてしまった私の大学の先輩もいましました。

 一人暮らしの皆さん、十分注意しましょう。そして心から飯島愛さんの御冥福をお祈り申し上げます。

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2009年1月27日 (火)

がんがなくなることを願う

 最近、私の周りでがんになる人が多く見られます。

 腎臓移植の手術を受け人工透析からも解放され、体調も絶好調だったのに、前立腺がんの骨転移で入院中の60歳代の父の友人。

 嘔気が原因で検査をしたら胆管がんと診断され、手術と抗がん剤による化学療法を受け、病気と闘っていましたが、残念ながら亡くなられた、夫思いの70歳代の患者さん。

 食欲不振と体重減少で精査を行ったところ、大腸がんの肝臓転移と診断され、現在抗がん剤治療中の60歳代半ばの母の友人。この方は、「最高の治療をしてもらって治らないならば仕方がない。」自分の病気のことは息子にも自分の口からすべてを包み隠すことなく話し、今後どうするべきかをしっかりと考えていらっしゃいます。

 がんと聞いただけで、動転してしまい、そのことを受容できない人もいますが、彼女は、周りのこともよく考え、病気と向き合っています。その気持ちがわかるがゆえに、周りに心配をかけまいとする姿を見ていると、胸が痛みます。「病気はどうして私を選んだの?」というドラマの名言がありましたが、「どうしてこんなにいい人が病気になってしまうの?」という思いが込み上げてくるし、無情さを痛感せざる負えません。

 大腸がんが進行している状態でも、血便や便秘、便柱の細まりなど、一般的に大腸がんで認められる症状はなかったそうです。夫の場合も、「頭をバッドで殴られたような強い頭痛」といわれるくも膜下出血の症状は全くありませんでした。

 このような例をみると、病気とは、すべてが教科書通りの典型的症状を呈するものではなく、医師として大きな病気を見逃してはならないという戒めの気持ちも持ちながら、日々の診療にあたらなければならないと感じます。

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2009年1月14日 (水)

「プロフェッショナル 仕事の流儀」 地域医療と中村伸一先生

 「プロフェッショナル 仕事の流儀」で、福井県の人口3000人の名田庄地区でただ一人の医師として活躍する中村伸一先生の特集を見ました。

 中村先生は自治医大を卒業後、この村に赴任しました。その時、長距離運転後腕の痛みを訴える患者さんの往診を依頼されたそうです。結果的にくも膜下出血を見逃すこととなり、医師としての自信を失い、訴訟問題なども頭をよぎる中、患者さんの家族から出たのは、「お互い様のことだ。夜中にわざわざ起こしてしまったり、先生に不快な思いをさせて申し訳ない。」との言葉。中村先生は、この時、「今度は自分が村に恩返しをする番だ。」と思い、それまで目指していた外科医としての道から、診療所の所長として地域医療を充実させていくことを決心なさったそうです。以来17年間、「いい人生だった!」この一言のために、日々診療に励まれておられます。

 そう決心してから、先生は努力を重ねられ、自分の専門以外のことも熱心に勉強し、内視鏡検査や整形外科的疾患、皮膚病、寝たきりの患者さんの訪問診療まで、保健師や介護スタッフらのパラメディカルの協力を得ながら、幅広い疾患の患者さんを診ておられます。

 その医療の現場では、先生も一生懸命。患者のために何がベストかを常に本気で、真剣に考えていらっしゃいます。医療を受ける患者さんも感謝の気持ちでいっぱい。今の時代に失われがちな医師と患者の強い信頼関係が築かれているのだなあと強く感じました。番組でも言っていましたが、「この村には都会のような便利さはないが、あたたかい心がある。」ということに納得できました。

 最先端の医療技術の進歩ももちろん大切ですが、こうした素晴らしい地域医療を実践されている姿を拝見すると、医師として中村先生のような生き方も素敵だなあと思いました。

 本番組を見て、「常に患者さんの目線で考えること。病気でなく、その人の人生全体を含めて、どう決断をすべきかを考えること。つまり、病を見ずして、人を診よ。」という医師としての基本姿勢を教えられました。

 

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2009年1月 8日 (木)

「密着365日!若年性アルツハイマーと闘う」を見て思ったこと 認知症の現状

 テレビで、「ある日突然・・・家族が・・・認知症になった~密着365日!若年性アルツハイマーと闘う」というスペシャル番組を見ました。

 麻布高校を優秀な成績で卒業し、東京大へ・・・エリートとして活躍していたのに若年性アルツハイマー病と診断され、仕事を辞めざるを得なかった50代の男性患者さん。

 旦那様が一生懸命面倒を見ながら生活していましたが、8か月前の取材と比較して次第にできることが少なくなり、徘徊などの症状も出現。進行していく若年性認知症に悩み、大きな決断を迫られた70代の女性患者さんとその家族。

 定年を前に若年性アルツハイマー病を発症し、子宮がんを克服した奥様と支え会いながら、講演やデイサービスの送迎介助などをしながら、頑張る患者さん。

 50代の患者さんは、発症してまだそれほど年数が経っていないため、ある程度自分の病気の状況が分かっている部分もあります。突然の記憶障害などの病状が進行していく中、自分のプライドや誇りも含め、どう社会生活と折り合いをつけ生きていけばよいかを考えていかなければならず、相当の葛藤があったと思います。

 番組を見て感じたことは、患者の皆さんが自分を支えてくれる家族に対して、感謝の気持ちを持っているということ。そして、周りの家族の皆さんもアルツハイマーの患者さんをとても大切に思い、愛し、病気の現実を受け入れながらも、今できることは何か?ということを模索しながら、前向きに積極的に生きているということ。

 とはいえ、実際に毎日患者さんと接している家族には、思い通りにいかずいらいらすることや、憤りも当然あると思います。きれいごとでは済まされないことも多々あるでしょう。しかし、そうした厳しい状況の中、愛する人を心から大切に思う超越した夫婦愛や家族愛といったものを強く感じました。

 順天堂大の先生が番組でおっしゃっていましたが、「現在の医学水準では、残念ながらアルツハイマー病が完治するということは難しく、次第に症状が進行し、最終的には家族のことがわからなくなっていしまうことも多いです。しかし、研究は進歩していることも事実。5年、10年後にはもっと新たな治療薬も出るでしょう。」とのこと。番組のリポートを見て、医学の進歩を期待し、アルツハイマーの画期的な治療薬が開発されることを願いたいです。

 

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2009年1月 6日 (火)

ジョン・トラボルタの長男の急死と川崎病

 ジョン・トラボルタの長男のジェット君(16歳)が、バハマで家族と休暇を楽しんでいた最中に、バスルームで突然卒倒しその際頭部を強く打撲。ただちに病院へ搬送されましたが、死亡が確認されました。ジェット君には川崎病の既往があり、以前にも卒中を起こしたことがあるそうです。

 「川崎病」は、1歳前後をピークに4歳以下の乳幼児に起こる病気です。高熱、眼の充血、いちご舌、皮膚の不定形発疹などの症状を呈し、全身の血管に炎症を起こします。最も問題となるのは、心臓を栄養する冠動脈に障害が残ることです。冠動脈に動脈瘤を認め、瘤の中で血栓が出来てつまり卒中発作を起こしたり、心筋梗塞により突然死に至ることもあります。

 ジェット君は、川崎病が原因で卒中を起こし、亡くなられたわけです。私の夫も、楽しい旅行中に動脈瘤破裂が原因と考えられるくも膜下出血で急逝しました。

 楽しい旅行中に悲劇が起きたこと、動脈瘤、予想もしていない突然の出来事、愛する人の突然の死・・・トラボルタ一家と自分がだぶることも多く、人事とは思えません。ジェット君の死を悼み、心からのご冥福をお祈り申し上げます。

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2008年12月26日 (金)

高血圧の恐ろしさ

 血圧が高いこと自体は、それほど健康に害があることではありません。問題は、血圧が高いと、血管の壁により大きな圧力がかかり、血管が痛みやすく、また、動脈硬化も進行します。

 その結果、高血圧の人は血圧が高くない人と比べて、脳卒中で約13倍、心臓病で約2.4倍と、その危険率が高くなります。

 血圧の薬を飲み始めると一生の飲み続けなければならず、癖になるから嫌だといって、血圧180~200mmHgと非常に高い状態であっても、放置する方もいらっしゃいますが、かえってその方が危険なのです。

 降圧剤は飲み続けなければならないわけではなく、食生活や運動習慣をなかなか改善できないため、結果的に飲まないと血圧が下がらない人が多いということです。

 中には、生活改善を実行した結果、血圧も正常となり、内服しなくてもよくなった患者さんもいらっしゃいます。

 高血圧は生活習慣病の赤信号です。塩分控えめ、適度な運動を心がけ、血圧を正常にコントロールできるように注意しましょう。

 

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2008年12月23日 (火)

医者に言えない患者の本音

 病気になった時にお世話になるのがお医者さんですが、ドクターとうまくコミュニケーションが取れず、悩んでいる患者さんも多いようです。

 何か分からない事があり、質問したいと思っても、「こんな事聞いてもいいのかしら?」と悩み、結局聞けなかったり、薬の効き目が実感できていないのに、ドクターには「効いています」と答えてしまったりするケースもしばしばあるようです。ドクターを前にすると、過度に緊張してしまう患者さんもいます。

 保健同人社の電話健康相談統計によれば、相談内容として多いのは、①病気 31.9% ②症状 25.9%  ③メンタルヘルス 7.4%  ④薬の知識 5.2%  ⑤病院・医療機関・施設 4.0%だそうです。

 相談の多い病気としては、①インフルエンザ ②風邪・感冒 ③頭痛 ④高血圧 ⑤消化器の病気だそうです。

 医師側としてもなるべく患者さんの話に耳を傾け、わかりやすく説明する努力が必要だと思います。遠慮せずに自分の健康や病気に関することを何でも聞けるようなホームドクターを見つけることが大切ですね。

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2008年12月12日 (金)

インフルエンザの流行とその効果的な予防

 今年もインフルエンザの流行が始まりました。

 例年の傾向だと12月下旬から徐々に増え始め、ピークは1月下旬から2月にかけてのことが多いようです。しかし、今年はすでに現段階から患者が増え、流行の始まりが早いとのことです。

 千葉県、京都府、兵庫県では、流行の注意報が発令され、学級閉鎖の学校も出てきています。

 インフルエンザの予防としては、ワクチン接種、うがい・手洗いの励行、マスクの装用です。効果的なうがいの仕方としては、喉をガラガラ洗う前に口の中のウィルスも排除するために、口の中をブクブクすすぐこと。喉を洗う際には、「ア~」と声を出して、奥の部分まできちんとうがいすること。手洗いに関する注意点としては、指の間まできちんと洗うことです。

 インフルエンザウィルスに感染すると、40度近い高熱や筋肉痛、関節痛など、重篤な症状を呈し、肺炎や脳炎まで波及すれば、生命にかかわるほど重症化する可能性もあります。しっかり予防に努めましょうね。

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2008年11月24日 (月)

2008年度のインフルエンザワクチン

 2008年度のインフルエンザワクチンの成分組成は、A型株 Aブリスベン/59/2007(H1N1)(Aソ連型のこと)、A/ウルグアイ/716/2007(H3N2)(A香港型のこと)、B型株 B/フロリダ4です。

 ワクチン接種後、免疫ができるまで2週間ぐらいかかるので、11月中にはワクチン接種を行ったほうがよいでしょう。体質によっては、発熱やだるさなどの副反応が出る場合もあるので、体調の良い時に受けるのがベストです。効果は3~5ヵ月は持続します。

 今年は、流行するのでしょうか?私も今年はワクチンを受けました。

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2008年11月13日 (木)

洞口依子さんの子宮頸がんとの闘い

 テレビで女優の洞口依子さんが子宮頸がんに罹患し、その病気との闘いや心の葛藤の模様が放送されていました。

 洞口さんの場合、子宮頸がんがある程度進行していたため、子宮を全摘しなければならなかったそうです。その後もリンパ節2箇所に転移していたので、放射線治療や抗がん剤治療も行い、厳しい治療に耐え、頑張られたようです。

 子宮がなくなってしまったことは、女性として悲しいことで、かつ、がんを受け止めることは、洞口さんにとって、とても辛かったようです。身体的にしんどかったり、精神的に不安になったり・・・でも、それを支えたのは、優しい旦那様。番組の最後に、愛する旦那様から洞口さんへの手紙が紹介されていました。2人の強い愛と絆がよく伝わってきて、羨ましくもありました。

 人間にとって一番怖いのは病気です。身体が健康でないと、働くことも、外出することも、美味しく食べることもできません。洞口さんもおっしゃっていましたが、早期発見・早期治療を行えば、がんといえど治すことができ、元気に戻れるわけです。少しでも気になることがあれば、放置せず病院で検査を受ける事が大切なのだと改めて思いました。

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2008年10月24日 (金)

脳内出血の妊婦の救急搬送受け入れ拒否死亡事件

 また、救急搬送受け入れ拒否によるたらいまわし事件が起きてしまいました。妊娠中に脳内出血を起こした東京都内の36歳の女性が、7病院に搬送を断られた後に死亡した問題で、いろいろなことが分かってきました。

 妊婦の主治医は、「脳出血とは言わないまでも、強い頭痛があり、頭部に疾患があるというニュアンスは伝えた。」と言い、最初に受け入れを断った墨東病院側は、「脳出血疑いとは伝わらなかった。」と主張し、その辺の受け止め方の違いが生じてしまったことも不幸なことだったと思います。

 さらに、周産期医療情報ネットワークの検索ネットも機能していなかったことも判明しました。

 ネットワークシステムが機能しないならば、ないのと同じです。これを機会にリアルタイムで情報が見れるようにするなどの改善が必須だと思います。

 墨東病院の当直医は研修医1人で、退職者が出たために当直2人体制を維持できなくなっていたことも分かりました。

 墨東病院と言えば、都内でも有名な大病院であるにもかかわらず、このような状況になってしまうとは、産科医不足がより深刻化していることを痛感します。

 お腹の赤ちゃんは、帝王切開で無事生まれたそうです。結婚8年目での待望の妊娠だったそうであり、残念でなりません。脳死状態となり、3日後に亡くなられ、我が子を見ることも抱くこともできなかった妊婦さんは、さぞかし無念であったろうと思います。

 脳内出血は、妊産婦死亡原因の2位。それも加味した、総合的医療の質の向上を図ることも必要でしょう。

 

 

 

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2008年10月19日 (日)

ダウン症と松野明美さん

 先日テレビを見ていたら、元マラソン選手の松野明美さんが自分の子供がダウン症であることを告白していました。

 ダウン症は、21トリソミーという染色体異常でおこる病気で、心臓障害や発達障害などを呈し、ある程度の比較的高い確率で生まれてくるといわれています。

 松野さんのお子さんも心臓の手術に耐え、生死の境をさまよったこともあったようです。松野さん自身が明るいキャラクターでメディアに登場しているため、息子の病気の苦しみと明るさを演じなければならないことのギャップに強い心の葛藤があったようです。しかし、一生懸命に生きる我が子を見て、今回のカミングアウトに踏み切られたようです。

 今ではその子も5歳。健康な子供よりはゆっくりかもしれませんが、自分のペースで頑張っています。その姿を見て、強い感動を覚えました。松野さんにも、お子さんにもこれからの人生、しっかり歩んでいっていただきたいと思います。

 

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2008年10月17日 (金)

峰岸徹さんと肺がん

 先日、緒方拳さんに引き続き、俳優の峰岸徹さんが肺がんのため、65歳の若さで亡くなりました。

 今年7月に腰の手術のための術前検査で肺がんが発覚し、それを公表し治療を受けながら、仕事復帰もされていただけに、残念でなりません。

 トライアスロンを趣味とし、体も鍛えていた峰岸さん。5年間位、人間ドックを受けていなかったそうなので、もっと早く発見できていれば、という思いも募ります。

 肺がんは近年増加傾向にあります。やはり、早期発見、早期治療が大切ですので、検診や人間ドックなどで、自分の健康チェックを怠らないようにしましょう。

 

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2008年10月14日 (火)

日々是よろずER診療

 医師によるブログ本「日々是よろずER診療」が発売されました。著者は泊慶明氏。市立池田病院急病・救急総合診療科医長の先生です。

 最初は、研修医の指導の役に立つかなあと思い、自分が経験したピットフォール的な症例を紹介していたのに始まり、次第に大勢の医師からコメントが付くようになり、常連コメンテーターの1人が出版社に企画を持ち込み、出版が実現しました。

 時間外診療に潜む”地雷”をテーマに、生きた教訓が満載です。また、医師がどんなに努力して適切な医療行為を行ったとしても、ある一定の確率で想定外の結果が起きてしまうことは避けられず、医療には限界があります。そうしたことを受容する土壌、死生観なくしては、医療崩壊は止められない・・・そうした問題提起も随所に盛り込まれているそうです。

 ぜひ、読んでみたい一冊です。

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2008年10月 8日 (水)

俳優 緒方拳さんの急死と肝細胞がん

 俳優の緒方拳さんが、5日夜、肝細胞がんによる肝臓破裂、出血にて急死されました。

 9月30日のフジテレビドラマ「風のガーデン」の制作発表にも出演されており、突然のことで本当にびっくりしました。緒方さんは数多くの映画、テレビに出演されていますが、私の中では、名無しの探偵シリーズをよく見ていた覚えがあります。

 役者生活50年。殺人鬼のような怖い役もやれば、笑顔を見せる穏やかな役まで、本当に幅広い役柄をこなす、個性的な演技派俳優でした。盟友の津川雅彦さんをはじめ、多くの皆さんが緒方さんの死を悼んでいました。横浜の自宅の近所の方々からも、気さくに挨拶を交わしてくれるような親しみやすい方だったと、芸能界以外からも偲ぶ言葉が多く聞かれました。大切な人が急にいなくなるということは、本当に辛いことです。

 役者という仕事が好きだったのでしょうね。「仕事関係の人には病気のことは言うな。」と息子さん達に言っていたことや「倉本さんの脚本が素晴らしいんだよ。」と評し、出演した「風のガーデン」の撮影を終えて亡くなられたということからも、緒方さんの役者魂を感じます。制作発表の時、「人は誰でも老い、そして病るわけで、否応なく死ぬわけで・・・」と語られていましたが、その頃は、緒方さん自身、自分の死を覚悟していたと思います。その心中を察すると胸が痛みます。

 次男の緒方直人さんが「かっこいい、温かい男です。」とおっしゃっていましたが、その通りの素晴らしい生き様でした。心からのご冥福をお祈り申し上げます。合掌。

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2008年10月 4日 (土)

10月4日はイワシの日

 10月4日はイワシの日です。1(い)0(わ)4(し)にちなみ、イワシ食用化協会が1985年に制定しました。

 イワシはEPA(エイコサペント酸)が多く含まれた魚です。EPAは魚介類に多く含まれる不飽和脂肪酸の一種で、長期間摂取することで血栓ができにくくなる、血液中の中性脂肪が減る、血管の弾力性が保たれるなどの効用が期待できます。

 これを機会に、イワシをたくさん食べて健康になりましょう。

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2008年10月 2日 (木)

幼児死亡率が高い日本

 平均寿命や0歳児死亡率が世界トップ級の我が国日本ですが、実は、1~4歳の幼児死亡率は、主要先進国で事実上最下位なのだそうです。

 小児医療専門家の研究班の調査の結果、重症の子供の搬送や受け入れ態勢などで、様々な問題点が指摘されました。

 具体的には小児専門病院や小児救急、小児集中治療室(PICU)の不足などです。地域格差も大きく、PICUのある13都府県とない34道県では、不慮の事故による死亡率の違いも生じています。

 こうした問題が山積する中、少子化問題と叫んでみても・・・日本の将来のために、政府も何か具体的対策を行動で国民に示して欲しいです。

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2008年9月20日 (土)

スーパードクター 大腸内視鏡医 工藤進英先生とプロフェッショナル 仕事の流儀

  先日、脳科学者茂木健一郎さん司会でおなじみの「プロフェッショナル 仕事の流儀」で、大腸内視鏡医 工藤進英先生の特集を見ました。

 工藤先生は、新潟大学を卒業後、消化器外科医として活躍していました。当時は、大腸内視鏡検査は今ほど普及しておらず、患者にとってもかなりの苦痛を伴うもので、大腸癌も進行した段階で発見されることが多かったようです。

 そこで先生は、大腸内視鏡と出会い、外科医としての勤務をこなしつつ、昼休みや休日を利用して、内視鏡の勉強をしました。「内視鏡にのめりこみすぎだ。」と言われたこともありましたが、「好きなことができるのだから、幸せだよ、先生は。」と、当時の学会の重鎮の先生から言われ、この道を究めようと決心したそうです。

 その後、数多くの症例を積み重ね、大腸内視鏡の権威と呼ばれるようになりました。それも、今まで築いてきた経験からなせるのだとか。「僕はいつも、患者さん一人一人が自分の家族だと思い、どのような治療がベストかを考えている。そのベストな治療法を見つけ出すには、実績を積み重ね培ってきた的確な診断能力が必要なのです。」とおっしゃっていました。

 人間としてもとても魅力的で、尊敬できる先生だと思いました。

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2008年9月 9日 (火)

救急の日 AEDで救える命

 9月9日は、救急の日です。一昔前にはほとんど見かけませんでしたが、最近はAEDがかなり普及した印象を受けます。

 AEDとは、Automated External Defibrillator (自動体外式除細動器)の略称で、突然の心停止の際に傷病者の心電図を自動解析し、必要な場合には、電気ショックによる除細動を行うことができる機器です。 

 最近、駅や役所、観光施設などいろいろな所で多く見かけるようになりました。日本では、一般市民を含む非医療従事者による使用が可能となり、設置・普及が進んでいます。どの機種も音声の指示に従って操作することにより、簡単な操作で除細動を行うことができます。

 心停止状態では、1分経過するごとに生存退院率が7~10%低下するとされていることから、救急車が到着するまでに、近くにいる人ができるだけ早く心肺蘇生法を行い、AEDを使用することが大切です。

 救急の日のこの機会に、心肺蘇生法のABC+Dを学びましょう。  A(Airway) 気道確保  B(Breathing) 息を2回吹き込み人工呼吸  C(Circulation) 両手を重ね、胸の中央を30回押し、心臓マッサージ  D(Defibrillation) AEDが到着したらAEDで心臓ショック

 心臓疾患による突然死は、皆さんで防げます!

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2008年9月 8日 (月)

医学部定員増に関して思うこと

 全国各地で医師不足が叫ばれる中、医学部の定員を大幅に増員しようとする案が浮上しています。

 医師の総数は決して減少しているわけではなく、一貫して増加傾向にあるのです。しかし、産婦人科や小児科といった過酷労働、訴訟リスクが高い診療科において、大きく減少しているのです。

 つまり、楽な医療しかやらない医師が多くなり、そのしわ寄せの結果、さらに残された医師達が過酷な勤務状態におかれるといった、負のスパイラルが起きているということだと思います。

 東北地方などの医療過疎地区に赴任する医師がどんどん減少し、都市部にばかり医師が集中するといった地域格差も大きく存在します。

 政府も医師の数だけ増やせばいいといった安易な考えでは、この問題は解決しないと思います。過疎地区にどのような方法で医師を確保するのか、診療科の偏在問題をどう解決するのかなど、もっと具体的な対策が必要なのではないでしょうか。

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2008年8月28日 (木)

むずむず脚症候群(レストレス・レッグス症候群)

 「むずむず脚症候群」をご存知ですか?ふくらはぎから脚先にかけて、絶えず足を動かしていないと落ち着かないむずむずした感じがおこる病気です。正式には「レストレス・レッグス症候群」と言います。

 特に夕方から夜間にかけてひどくなる傾向があり、夜眠れず不眠に陥る場合が多いです。年齢層も小児から80歳代まで幅広く、比較的女性に多いとされています。日本でも成人人口の2~4%の患者がいるということです。

 現在、はっきりとした原因は分かっていませんが、①脳内の神経伝達物質であるドパミンの機能低下 ②脳の鉄欠乏 ③遺伝的な要因が可能性として考えられています。

 むずむず脚症候群友の会も設立され、専門医の先生との結びつきを深めたり、患者同士の交流で情報交換をしたり、積極的な活動を行っています。また、大塚製薬ではこの疾患の新しい薬(貼り薬)を使った治験を行っています。

 お心当たりの方は、お早めに専門医を受診するようにしましょう。

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2008年8月22日 (金)

大野病院帝王切開死亡事故の判決

 現役医師が逮捕ということで注目が集まっていた福島県の大野病院医療事件で、被告の加藤克彦医師に無罪判決が言い渡されました。

 判決を聞いて、被告の加藤医師は安堵の表情を浮かべ、医療関係者からは「妥当な判断」「教訓として、再発防止を」との声が上がりました。

 一方の遺族側は、怒りの気持ちをあらわにしました。今でも孫に母親を意識させたくないと家族連れの集まる場所には連れ出さないそうです。

 司法の判断も難しかったと思います。結局どうすべきだったのかは誰にも分からない・・・尊い母親の命が失われたことは事実です。結果が悪ければ、すべて医師側に問題があるというのもいかがなものかと思います。そして医師側も、患者が納得できるように十分に説明する義務もあり、最善を尽くすべきではないでしょうか。

 

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2008年8月 7日 (木)

現代人に急増中のうつ病、うつ状態

 先日、テレビを見ていたら、「うつ」に関する医学の学会の著名な先生が出演されていて、詳しく解説されていました。

 うつは完璧主義者、几帳面で、100点か0点かと考えるような生真面目な人がなりやすいとのこと。

 また、人間の人生において、うつを引き起こす原因となるインパクトファクターとしては、1位が配偶者の死亡で、2位が離婚だそうです。

 うつに効く食べ物は「魚」。日本人は魚を多く食べるので、増えたとはいえ、まだ、欧米人よりうつは少ないらしいです。

 何もしたくなく、する気もおこらず、家に閉じこもっている状態が1ヶ月間続くようならば、危険とのこと。すぐに専門医を受診した方が良いそうです。

 また、周囲の人も、うつの人を「頑張って」と励ましてもいけませんが、逆に、無関心にほったらかしにしてしまっても駄目で、目配りをしながら、普通に接するのが良いのだそうです。

 最近では、仏教の教えをうつの治療に取りいれる試みも行われているようです。

 社会構造も変化し、ストレスや不安要素も増え、うつも増加傾向です。ストレスをうまく発散しながら、うつに陥ることなく、楽しい人生を過ごしていきたいものです。

 

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2008年7月24日 (木)

大学病院の目指すべき方向性

 これまで医学教育の場、先端医療を担う場として、日本の医学界をリードしてきたのが大学病院です。今後の大学病院の動向は医療において大きな影響力を持っています。

 しかし、初期研修必修化の制度改革に伴い、多くの医学生が市中病院に流れ、大学病院に対し教育の場としての期待は薄れる傾向となりました。

 さらに、独立行政法人化により、大学の経営を自己決定、自己責任で行い、経済的自立をも求められ、経営改革に迫られているのが現状です。

 こうした様々な問題を抱えている大学病院の目指すべき方向性ですが、まず何よりも大学の教育、研究、診療は、自分たちの名誉や満足のためではなく、国民のため、社会のためにあるという、基本的なことを忘れずに制度改革を進めていただきたいということです。それには、しっかりとした経営基盤が確立されていなければ、良い教育や研究はできないのであり、大学医療人の意識改革も必要になってくると思います。

 具体的には、地域医療機関との協力体制や連携を築くなどして、分業によっ診療科の壁を取り払い、合理的な診療体制システム作りを進めたり、労働環境整備に対する理解を求めていくことも必要となってくるでしょう。

  私の家族も大学病院での適切な診断・治療のおかげで、がんや重症の心臓病から復帰し、今も元気に生活しています。

 今、多くの問題を抱える日本の医療ですが、その最高峰として医療界全体を良い方向へと牽引して行ってもらいたいです。

 

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2008年7月21日 (月)

医者は不養生?

 「医者の不養生」ということわざがありますが、医師は患者の健康を守る仕事なのに、自分の健康には不安を抱えているものなのでしょうか。

 日経メディカルオンラインの実施した調査で、「あなたは不養生ですか。」との問いに対し、強くそう思うが23%、少しそう思うが55%と、あわせて8割近くが不養生と自覚している結果が出ました。

 「身体的健康状態は良好か。」との質問には、あまりそう思わないが35%、まったくそう思わないが6%と、4割程度は健康に自信がないようです。

 不養生医師の生活とは、労働時間が長いことから、食事は不規則となり高脂肪、高塩分の内容に偏ってしまうこと、睡眠時間も短くなり運動不足も生み、疲労やストレスが蓄積しやすいことなどが要因となり、身体的、精神的に不健康になっていくという悪循環に陥ってしまっているのではないでしょうか。

 この機会に、お医者さん自身も自分の健康を見つめ直し、不養生の連鎖を断ち切り意識改革してもらいたいです。自分が病気では患者さんに良い医療を実践することはできませんよ。

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2008年7月 1日 (火)

性差医療の草分け 女性専門外来 天野恵子先生

 千葉県衛生研究所所長・千葉県立東金病院副院長の天野恵子先生は、日本における性差医療の草分け的存在です。

 天野先生の提案を受けて千葉県の堂本知事のもと2001年に開設された東金病院の女性専門外来は大盛況で、先生自身も診療に携わっておられます。

 天野先生曰く、いまだに性差医療を誤って認識する者が多く、本質を理解する者は少ないとのこと。性差のある病気は多く、例えば、更年期以降の日本女性の高コレステロールはほとんどがローリスクであり、過剰投薬が懸念されるとおっしゃっています。

 先生は、日本一の医師になるという固い決心に支えられ、東京大学の医学部に合格。同級生の脳外科医と結婚後もカナダに留学し、3人の子供を育てながら、医師としてのキャリアもしっかりと積んできた方です。そして現在、性差医療の将来にも確かな手応えを感じているといいます。

 今後もこうした女性専門外来がもっと増え、女性が病院を受診しやすい環境作りを望みたいものです。

 

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2008年6月28日 (土)

松山千春さんと不安定狭心症

 歌手の松山千春さんが、コンサートツアーの滞在先で緊急入院となりました。搬送された病院で不安定狭心症と診断され、経皮的冠動脈形成術の緊急処置を受けました。

 不安定狭心症は、心筋梗塞に移行しやすい状態の狭心症であり、次第に発作の頻度や程度が増悪することもある危険な疾患で、突然死の原因になることもあります。

 松山さんは、糖尿系の持病もあり、ヘビースモーカーでもあったようです。狭心症は、喫煙、過労などにより誘発されることもあり、松山さんの場合も影響があったのかもしれません。

 松山さんは、現在、意識はしっかりしているものの、安静の状態が続いているようです。早く元気になっていただいて、再び素晴らしい歌声を聞かせていただきたいですね。

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2008年6月24日 (火)

統計でははかれない生命の不思議 脳幹出血とくも膜下出血

 数年間ずっと外来に来てくれていた患者さんが、60歳代後半の若さで急に亡くなりました。死因は、脳幹部の脳出血だったそうです。昼寝の後、突然発症し、奥様が発見した時は意識もなく、反応しない状態だったそうです。

 彼は、外来通院中、血圧も120~140mmHg台と安定していたし、肥満や糖尿病もありませんでした。私の夫と同じ、脳幹部の出血性病変という点でも一致した部分があり、なんともいえない悲しみを感じました。

 大きな母集団の統計をとってみれば、生活習慣病の有無やコントロールの良し悪しで、脳卒中や心筋梗塞の発症率に有意差があり、もちろん、その予防や治療が重要だということは十分に分かります。

 しかし、夫とその患者さんは大きなリスクファクターもなかったのに、「なぜなの?」という思いが正直、今でもこみ上げてきます。

 タバコを長期間たくさん吸っていて80歳を過ぎても肺癌にならない人もいれば、1本も吸わないのに20歳台で肺癌で亡くなる人もいます。

 統計学的にははかれない、人間には持って生まれた運命というものがあるのでしょうか・・・

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2008年6月23日 (月)

高齢化する高島平団地

 1972年にできた広大な高島平団地。当時は日本が高度成長時代にあり、それを象徴するがごとく、活気あふれる街でした。

 しかし、35年以上経過した今、かつての勢いはなくなり、商店街は閉鎖となり、子供達は独立し高島平を出て行き、残ったのは年老いた老人達という状況に陥っています。

 あるテレビ番組でその特集を放映していました。1人暮らしの86歳のおじいさんに密着していました。娘が週に1回、ヘルパーさんに頼まれた買い物をしてやって来ますが、自身も仕事を持っているため、すぐに帰らなければなりません。夫との関係が悪くなるため、老いた父親を引き取る気はないと言っていました。急速に足腰が衰え、家の中を這って動くおじいさんの姿が痛々しかったです。何かとても寂しい気持ちになりました。

 そうした空洞化する高島平団地を地元の大学が借り上げて、中国からの留学生の住居として利用されているようです。

 今後、高島平団地はどうなっていくのでしょうか?

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2008年6月18日 (水)

後期高齢者医療制度廃止法案と今後の行方

 民主党をはじめとする野党の提出した後期高齢者医療制度廃止法案が参議院で可決されました。これに対し、与党は年金の受給水準が低い人について保険料の減免などの見直し案を検討しているとのことです。

 社会構造や人口分布に大きな変化がおき、従来の医療保険制度では財源を保つことが困難になってきたということもわかりますが、だからといって年金暮らしに頼るお年寄りが困ってしまうような、弱者切り捨ての制度になってしまっては問題です。

 開始2ヶ月ちょっとで現制度を廃止し、以前の制度に戻すことになるのでしょうか?こう短期間のうちにコロコロと変化しては、今後の行く末が心配でなりません。

 医療制度改革は最重要課題の1つであり、制度を変える前に、こう変更したらどうなるのか、もっときちんとシュミレーションした上で、変革すべきだったのではないでしょうか。分析不足という印象が否めません。

 これからの日本にとって、どのような医療制度がベストなのでしょうか?難しい問題ですね。

 、

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2008年6月15日 (日)

谷本整形外科 作り置き点滴事件

 三重県伊賀市の谷本整形外科で、鎮痛剤とビタミン剤の点滴を受けた患者が体調の不良を訴え、1人が死亡した事件で、不調を訴えた23人中、うち16人は休診日明けの9日に点滴を受けて発症していた事が分かりました。

 おそらく土曜日に作り置きされた点滴が休診日の日曜日を挟んで丸一日放置され、細菌が増殖し、被害が集中したものと考えられます。

 谷本院長が記者会見で「私は朝6時半から夜中の11時まで働いている。そして、私の家にはバスタブのついたお風呂がない。そんな私が金儲け主義に走りますか。」とおっしゃっていましたが・・・

 過去にも似たような事例があったにもかかわらず、衛生管理の不備を改善することなく、今回の事件が起きてしまったことが残念でなりません。

 日々起こる医療ミス。このような事件が頻発すると、医療不信を招く原因となってしまいます。医療機関側にも、営利主義に走ることなく、人手不足など言い訳をすることもなく、真っ当な医療を提供することを心がけていただきたいものです。

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2008年6月 4日 (水)

不適切な救急車要請

 最近、 たいした重症でもなく明らかに救急車が必要と思われないのに、要請する人が増えているようです。

 例えば、「水虫が痒くて仕方がないから病院に連れて行って欲しい。」とか、「うちの○○ちゃんが苦しんでいるので助けて。」と言うのでよく聞いてみると、ペットだったりとか。

 こうした不適切な要請のために、本当に緊急搬送が必要な人への対応が遅れてしまうことも十分に考えられます。

 無料のためなのか?タクシー代わりに使用する感覚の人もいるようです。こうした事例をなくすためにも、救急車の出動を有料化すべきなのかもしれませんね。しかし、有料化すれば今度は重症で要請が必要な状態なのに、お金がかかるからという理由でためらってしまい、命を落としてしまう人が出る可能性もあります。なかなか難しい問題ですが、とにかく、このようなモラルのない行動は慎むようにしましょう。

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2008年5月20日 (火)

NASH あなたの脂肪肝は大丈夫?

 お酒をあまり飲まないにも関わらず、肝臓に脂肪がたまっている状態、つまり脂肪肝の方は世の中にたくさんいらっしゃいます。従来はそのような脂肪肝は良性の疾患と考えられ、放置されてきました。

 ところが、最近そのような脂肪肝の一部に、肝硬変や肝癌へ進行するタイプのものがあることが明らかとなり、非アルコール性脂肪肝炎(non-alcoholic  steatohepatitis:NASH)と呼ばれています。

 NASHはメタボリックシンドロームに合併することが多く、日本でも100万人くらいの患者さんがいるであろうと推測されており、決して稀な病気ではありません。

 気になる方は、早めに消化器内科の専門医を受診し、あなたの脂肪肝がNASHかどうかを診断してもらい、NASHであれば、的確な治療を行うことをおすすめします。

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2008年5月 7日 (水)

外国人看護師登場?

 経済連携協定(EPA)の合意で、フィリピン人看護師が日本で永続的に働ける仕組みができたのに続き、今度はインドネシアからの受け入れが早ければ2008年度内に始まる見込みで、インドネシア人看護師が日本に登場する可能性も生まれてきました。

 看護師の受け入れ人数は400人で、入国後、6ヶ月の日本語研修、看護導入研修を行い、マッチングの病院で就労、研修を受けながら、日本の看護師国家試験合格を目指します。

 このEPAによる受け入れは、日本の厚生労働省としてはそれほど積極的ではなく、フィリピンやインドネシア側からの強い要請によるものです。これに対し、現場の病院経営者の中には、外国人看護師の必要性を訴える声が少なくないようです。

 実際に法律の改定などで、病院では以前よりも多くの看護師の配置義務が生じ、看護師不足は現実にある問題です。さらに、少子化の影響やきつくハードな仕事内容を嫌がり、すぐに辞めてしまう看護師が多いのも事実です。

 今後高齢化が進めば、医療現場で日本人看護師不足となるのは明白であり、長期的に見れば、外国人看護師は必要なのかもしれません。しかし、言葉の壁や生活習慣、文化や考え方の違いなどもあり、看護業務がきちんと遂行できるか不安な面もあると思います。また、日本は単一民族国家なだけに、看護を受ける側にも外国人看護婦に対して抵抗が生じないかという問題も考えられます。

 工場などでの製品製造の労働力として外国人は珍しくありませんが、医療の現場で大切な役割を果たす看護師に外国人が登用される日が来るかもしれない?とは驚きです。時代の変化を感じますね。

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2008年5月 1日 (木)

札幌耳鼻科医の聴覚障害身体障害者手帳の偽診断書作成疑惑

 札幌市の耳鼻科医が159に及ぶ聴覚診断書を作成、身体障害者手帳を不正に取得させたとされる問題がおきました。

 現在調査済みの114人中、等級変更なしはわずか6人のみで、手帳を自主的に返還したのは53人、被該当となったのは38人でした。

 札幌市は、耳鼻科医の指定医取り消しと、偽診断書作成で刑事告発する方針を明らかにしています。

 身体障害者の1級や2級に認定され障害手帳を持っていると、鉄道運賃が半額になるなどのメリットがあり、ブローカーが仲介して不正に身体障害者手帳を取得させたたとの情報もあります。

 この耳鼻科医自身は、情報機関向けに疑惑を否定する説明書を送っているようで、反省してる様子もないようです。

 少し前には、板橋区の耳鼻科医が健康な女子高生をアルバイトに使って不正請求をした事件もあったばかりです。どうして耳鼻科の医師の問題事件が続くのでしょうか?不思議ですね。

 

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2008年4月30日 (水)

後期高齢者医療と山口2区補選ショック

 衆院選山口2区補選で与党候補が民主党候補に大敗しましたが、原因として最も大きいと考えられるのは、4月に開始されたばかりの後期高齢者医療制度の問題だと思います。

 ただでさえ内閣支持率が低迷する中、保険証未着、年金天引き徴収ミス、制度の説明不足なども重なり、高齢層までもが福田離れを強めることへの懸念は強いと思われます。

 高齢化社会が進む日本で、医療費は誰かがどうにかして賄わなければならないわけですが、医療に必要な財源をいかに調達するのか、非常に難しい問題です。

 負担の凍結延長、天引きの廃止、減額対象の拡大などいろいろ対案を考えるも、なかなか皆が納得できる内容のものが見当たりません。

 政府は今のところ、見直しには慎重のようですが、世論の批判の高まりも強く、今後この制度がどうなっていくのか大変気になるところです。

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2008年4月18日 (金)

特定健診・特定保健指導の問題点

 メタボリックシンドロームの予防に重点をおいた「特定健診・特定保健指導」が4月より始まりました。医療費増加の要因となっている糖尿病などの生活習慣病を予防することで患者を減らし、医療費を抑制しようというのが狙いです。

 国は健診受診率や保健指導の実施率に数値目標を設定し、達成状況により医療保険者には後期高齢者支援金が加算もしくは減算となります。つまり、数値目標が達成できないとペナルティが科されるわけです。

 実情は、国保を運営する市町村から「数値目標が厳しすぎる。」「国からの財政的、人的支援がないと厳しい。」などの意見が相次いでいるようです。

 また、健診受診率より問題なのは、保健師が行う特定保健指導の実施率です。1人20分以上の個別面談などが必要とされており、保健師などの人員確保は非常に困難な状況です。

 理想は分かりますが、現状と少しかけ離れすぎている気がします。現在の状況をよく分析して、達成可能なものになるよう、再考が必要かもしれませんね。そして、何よりも私達ひとりひとりがきちんとした自覚を持ち健康に対する意識を高め、病気にならないよう日々努力していこうとする意識改革も必要だと思います。

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2008年4月15日 (火)

特定健診・特定保健指導

  2008年4月より医療費適正化計画の一環として「特定健診・特定保健指導」いわゆるメタボ健診が開始されました。対象は40~74歳の国民5600万人で、以下のような内容になっています。

 (特定健診の基本項目)

 問診票、身体計測(身長、体重、BMI、腹囲)、血圧測定、血液検査(脂質、血糖、肝機能)、尿検査(尿糖、尿蛋白)など

 (ステップ1)腹囲とBMIで内臓脂肪蓄積のリスクを判定

 腹囲:男性85cm以上、女性90cm以上  BMI25以上 

 (ステップ2)

 ①血糖:空腹時血糖100mg/dl以上またはHbA1c5.2%以上

 ②脂質:中性脂肪150mg/dl以上またはHDLコレステロール40mg/dl未満 

 ③血圧:収縮期130mmHg以上または拡張期85mmHg以上 

 ④喫煙歴あり

 (ステップ3)

 ステップ1、2から対象者をグループ分けし、リスクありの場合は、特定保健指導にて積極的支援または動機づけ支援を行う。 

 かなり厳しい目標値設定となっており、かなり多くの方が異常値としてひっかかるのではないかと予想されます。。生活習慣病予防のため、皆さん食事、運動に気を付けて頑張りましょう。                               

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2008年4月11日 (金)

がんワクチン(予防型と治療型)

 今もなお、死因の多くを占め私達を苦しめるがん。そんながん消滅に重要な役割を担うものとして「免疫」が注目されています。免疫療法として、がんワクチンが開発されています。

 がんワクチンには2種類あり、予防型はがんの再発を予防するもの、治療型は再発してしまったがんの治癒を目的としたものです。

 もちろんがんは、手術療法、化学療法、放射線療法などが中心となりますが、これらの一般療法に免疫療法のがんワクチンをうまく組み合わせることで、高い効果が得られるそうです。がん治療の未来に「がんワクチン」が新たな道を切り開くことになるかもしれませんね。

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2008年4月 6日 (日)

女子高校生を使って診療報酬不正請求 中板橋耳鼻咽喉科医院

 健康な女子高校生にアルバイト代5000円を支払い、保険証を持参で通院させて、およそ1万5000円の診療報酬を請求し、少なくとも190万円を不正に受け取っていたとして、東京社会保険事務局は、中板橋耳鼻咽喉科医院の保険医療機関の指定と院長の保険医登録を10日付けで取り消すことを決めました。

 女子高生の間では、ただ耳鼻科の待合室に座っているだけで5000円もらえる割のいいアルバイトとして有名だったようです。

 院長もテレビで「この処分に納得していない。」と言っており、反省している様子もないように見えました。

 どういう感覚で医療を行っているのか理解できません。本来の医師の持つべき責任感や使命感を忘れてしまったのでしょうか。こうしたニュースを見ると、残念でなりません。

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2008年4月 2日 (水)

4月1日からの変化 入社式・ガソリン値下げ・生活必需品値上げ・後期高齢者医療制度

 4月1日より新年度となり、いろいろな変化がありました。

 官公庁や企業では入社式が行われ、緊張した面持ちでのぞむ新入社員達がニュースで放送されていました。

 ガソリン税暫定税率の期限切れ問題で、一時的かもしれませんがガソリンが安くなった一方、相次ぐ原材料高騰で醤油や牛乳などの生活必需品のさらなる値上げが断行されます。

 医療でも、後期高齢者医療制度が導入され、高齢者の医療費負担増となりそうです。

 それにしても、最近良い話題に乏しい日本。ねじれ国会で、今まで明らかにされなかった問題が積極的に議論されるようになったことは良いことだと思うのですが、日銀総裁人事やガソリン税暫定税率問題など重要事項がまったく決まらないという異例の状態が続いています。海外からの信用が失墜しても問題だと思います。政治家の皆さんには、もっとしっかりして欲しいという思いでいっぱいですね。

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2008年3月30日 (日)

第102回 医師国家試験 合格率ランキング 合格発表

 第102回 医師国家試験の合格発表がありました。受験者数8535人に対し、合格者数7733人で、合格率90.6%でした。昨年は87.9%でしたので、合格率はやや上昇しました。男性の合格率は89.2%、女性の合格率は93.3%でした。合格率上位の大学は以下のとおりです。

 1位  自治医大  99.1%

 2位  順天堂大  98.1%

 3位  山形大  98.0%

 4位  産業医大  97.8%

 5位  筑波大  97.4%

 その他、旧帝大の各校は、北海道大 92.7%、東北大 84.6%、東京大 90.7%、名古屋大  93.3%、京都大 92.0%、大阪大  89.9%、九州大  93.9%でした。私立御三家は、慶応大 95.7%、東京慈恵医大 94.5%、日本医大 89.4%でした。

 自治医大、順天堂大、産業医大、慶応大などは毎年高い合格率を誇り、常に安定していて、さすがといったところです。合格された医師の皆さん、現在日本の医療は問題山積みですが、高い志を持ち、しっかりとした気持ちでお仕事に取り組んで欲しいものです。

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2008年3月27日 (木)

世界のスーパードクター 名医

 先日、世界のスーパードクターがテレビで紹介され、世界に通用する日本を代表する天才名医の見事なテクニックが放映されていました。

 ・福島孝徳先生(デューク大学 脳神経外科)

 今回も脳幹内部から発生した巨大脳腫瘍の非常に難しい手術を見事に成功させていらっしゃいました。いつものことながら、そのパワフルなバイタリティには脱帽です。

 ・斎藤滋先生(湘南鎌倉総合病院 循環器部長)

 患者負担の少ない腕からのアプローチで虚血性心疾患の心臓カテーテル手術を行う名医です。

 ・小堀真先生(聖隷三方原病院 整形外科)

 人工膝関節手術の名医です。それぞれの患者に合わせた道具を先生自ら作製し、手術に望んでいらっしゃいました。

 ・宮崎東洋先生(東京クリニック)

 完璧な解剖学の知識で痛みをブロック。元順天堂大の教授で、痛みの治療一筋42年、ペインクリニックの第一人者です。

 ・伊藤壱裕先生(銀座オクトクリニック)

 米国抗加齢医学会認定医で、オゾンを使用したアンチエイジング、血液クレンジング療法を行っています。

 もっとたくさんのスーパードクターが登場して、我々を辛く苦しい病気やその痛みから救って欲しいものです。

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2008年3月21日 (金)

社会保障カード 医療・介護・年金を1枚で管理

 厚生労働省の検討会が、年金手帳、健康保険証、介護保険証を1枚のカードにし管理する社会保障カードの基本構想をまとめました。2011年導入を目指し、今後も検討が続けられる予定です。

 大きさはクレジットカード大で、ICチップが内蔵され、パソコンなどでカードを読み取れば、年金記録の確認やレセプトや特定検診の結果、介護サービスの費用なども閲覧できます。利用者の利便性が高まると同時に、事務負担の軽減につながると期待されています。

 しかし、発行主体を市町村、医療保険者、年金保険者の国のどれにするのか、また、本人特定のための情報に関してどうするのかなど、骨格さえ決まっていない部分が多いのもまた事実です。

 国民が1人1枚携帯して広く日常的に使用される社会保障カードが近い将来登場するのかどうか、まだまだ議論が必要であり、今後の動向に注目です。

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2008年3月17日 (月)

「1リットルの涙」の難病 脊髄小脳変性症の遺伝子治療

 数年前、話題の女優、沢尻エリカさんが難病に苦しむ高校生を演じ、好評を博した「1リットルの涙」というドラマを覚えていますか?

 主人公亜也が患っていた難病「脊髄小脳変性症」を、遺伝子治療で改善するマウス実験に成功したと群馬大大学院医学系研究科の平井宏和教授が発表しました。研究成果は欧州分子生物学機構機関誌のネット版に公開される予定です。

 脊髄小脳変性症は、歩行がふらつく、言語障害などの小脳性運動失調を主な症状とし、10~20年という長い年月をかけて徐々に進行していく神経疾患で、根本的な治療法はまだ確立されていません。

 平井教授は、今後サルを使った実験に取り組み、安全性の確認ができれば、人への応用も考えたいと話しています。

 ドラマを見ていて、自分ではどうすることも出来ず、病気がどんどん進行していく・・・そんな辛い状況でも一生懸命生きようとする亜也の姿に感動を覚えたものです。沢尻さんの演技も素晴らしかったと思います。

 脊髄小脳変性症の他にも、筋萎縮性側索硬化症(ALS)など神経内科領域の病気には有効な治療法のない難治性の疾患がたくさんあります。今回の研究成果は、脊髄小脳変性症の患者さんにとって喜ばしいニュースです。早く臨床応用が実現するといいなあと思います。

 

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2008年3月15日 (土)

女性医師再教育 復職プロジェクト

 全国の女性医師のために、個々に合わせたオーダーメイドの研修プランにより、スムーズで無理のない再研修から勤務先決定までのサポートをする「女性医師再教育 復職プロジェクト」が、東京女子医科大学/日本赤十字社/済生会/メディカル・プリンシプル社の共同で企画されました。

 今や、国家試験に合格する医学生のうち3人に1人は女医さんです。しかし、女性であるがゆえに出産や育児に伴いブランクが生じ、キャリアに空白が出来てしまうことも実際問題としておこることです。また、子育てが一段落して、再び医学の現場に復帰したいと思っているベテラン女医さんもたくさんいっらっしゃると思います。しかし、日々進歩する現代の医療の中で本当にやっていけるかどうか不安を感じ、躊躇している先生も多いのではないでしょうか。

 そうした女医さんには、女子医大(女性医師再教育センター)による研修プラン作成後、各医療施設で研修を実施し、その後、希望の職場を紹介してくれるというこのプロジェクトは、活用に値する素晴らしいサポートシステムだと思います。

  3月16日(日)には、グランドプリンスホテル赤坂で、女性医師と女性医学生は無料で東京女子医大の先生方による再教育、キャリア形成の相談を受けることができる「女性医師キャリア相談フェア」が開催されます。

 社会の中でも、女性の患者さんは同姓のお医者さんに診てもらいたいという風潮があり、医療現場での女性医師のニーズは高まっています。復職を考えている女医さん、ぜひあなたの医師としてのキャリアをもう一度輝かせてみてはいかがでしょうか。

 

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2008年3月 9日 (日)

Dr.コトーこと瀬戸上医師の島への恩返し

 離島医療に取り組む医師の姿を描いた漫画の「Dr.コトーの診療所」の主人公のモデルとなった鹿児島県下甑島の診療所所長である瀬戸上健二郎医師が任期を延長し、引き続き診療所の医師として勤務を継続することが明らかになりました。

 島では退官イベントを感謝祭に変更し、漫画の原作者の山田貴俊さんらも参加して行われる予定です。感謝祭は長年、島の医療を担い、頑張っていただいた瀬戸上医師への強い感謝の思いから住民達が企画したものだそうです。

 瀬戸上先生は、「漫画のおかげで離島医療への理解も深まり、これからも任期を延長して頑張っていく事が島への恩返しです。」とおっしゃっています。

 近年、医療格差が広がり、研修医システムの改革などもあり、都市部に医者が集中し、地方に不足しているという状況が続いています。そうした中、離島医療に情熱を注ぎ、島民に心から慕われ、その熱意で感謝祭まで開いていただけるというお話を聞くと、瀬戸上先生がいかに素晴らしい医療を実践されてきたかをうかがい知る事ができます。体力に自信があり、離島医療や地域医療に興味ある若い医師の方々にも後に続いてほしいですね。

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2008年3月 6日 (木)

脳外科医 上山博康先生の素顔 パート2

 今や脳動脈瘤手術では日本一の上山先生。その先生が今までの脳外科医としての自分を振り返り、大きな影響を受けた3人の恩師がいらっしゃいます。

 最初の恩師は、北大医学部卒業後に入局した同大学脳神経外科の都留美都雄教授です。入局4年目に教授の患者さんを手術したら植物人間にされるからといって、逃がした行為をしたことがあったそうです。当時は患者さんの立場に立ち行動したつもりでしたが、後になっていかに浅はかだったのかわかったそうです。そんな自分に反抗する者にも目をかけてくださったのが都留教授。上山先生曰く、「逆らうやつを評価する、懐の深い方」だそうです。

 2人目の恩師は、秋田県立脳血管研究所脳外科部長の伊藤善太郎氏です。伊藤先生は上山先生に「お前は論文を書かず、手術だけしていろ。それで突き抜けろ。」とおっしゃったそうです。伊藤先生自体も脳神経外科の世界的権威であり、直接指導された手技は現在上山先生の匠の手と呼ばれる動脈瘤手術の技に受け継がれています。しかしそれに甘んじることなく、伊藤先生の考え方を前進させ新しい技術を生み出すことこそが大切だと確信しているそうです。

 3人目の恩師は、都留氏の後を引き継いだ安部弘教授です。上山先生がおっしゃるには6年の研修を終えたらさっさと他所へ行ってしまった者で自分は教授に嫌われていて、振り返ると阿部先生は敵役での登場になってしまいます。しかし、自信過剰の自分を抑制してくれたのが先生であり、阿部先生の諦めつけがなかったらどうなっていたかわからないと回顧なさっています。

 天賦の才を持ってしても医局では疎んじられ、臨床の現場で圧倒的な実績を残し、患者からも医療スタッフからも崇められる存在となっても、大学では教授になれませんでした。でも、悔恨の思いなど一切なく、自分の信念に向かって突き進む姿勢には、情熱を感じます。素晴らしい恩師との出会いがあり、脳外科医として、上山先生が大活躍されているのだなあと納得できました。

 手術を受ける患者にとって大切なのは、術者の先生が立派な論文を書いたことではなく、自分の病気を治してくれる優れた技術を持ち、患者としっかり向き合って手術に取り組んでくれることであると思います。私も家族を脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血で亡くしているので、未破裂のうちに上山先生に手術をしてもらっていれば・・・と、テレビで姿を拝見する度に思ってしまいます。今後も、先生のご活躍を期待しております。

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2008年3月 5日 (水)

脳外科医 上山博康先生の素顔 パート1

 今週放送された「主治医のみつかる診療所」に匠の手を持つ脳外科医 上山博康先生が出演されていました。巨大脳動脈瘤に苦しむ患者さんを救うため困難な手術を行う姿が放映され、また脳のスペシャリストとして、ボケずにいつまでも若々しい脳でいるためのアドバイスをなさったりしていました。そんな上山先生の素顔を御紹介しましょう。

 上山先生はパイロットだったお父様や航空機開発の仕事をしていた親戚に影響されて、当初航空工学を目指していました。飛行機を設計するなら東大にトップ合格できるくらいの学力を身に付けなければならないと決意し、特に数学と物理は独学で徹底的に自習したそうです。中学二年生の時点ですでに数学ⅡBまで終わり、期末試験の3次方程式を微分で解いてしまったという逸話があります。

 しかし、航空業界の親戚から直接「政治的な問題で、日本はもう国産旅客機は作れない」と聞かされ、断念せざるを得なくなりました。次の道を模索している時に、雑誌で「交通戦争」が脳外科の社会的意義を説いているのに触れて、医師への方向転換を決心しました。

 また、絵の才能は高校の教師に芸大進学を進められたほど素晴らしく、1984年に上梓した英語の脳動脈瘤手術についての書物では、挿絵のほとんどを自らの手で書き、イラストの出来栄えも世界的な評価を獲得しました。

 釣りはプロ級で、子供の頃からの趣味です。秋田県立脳血管研究所時代には、秋田港での夜釣りの黒鯛にのめり込んだそうです。

 北海道大医学部脳神経外科に入局した頃は、野球チームで4番キャッチャーをつとめていました。入局2年目に、月収の2倍もするポメラニアンを衝動買いし、奥様に叱られたことも・・・でも先生以上に奥様は犬の面倒を見てくれたそうです。優しい理解のある家族に包まれ、だからこそ立派な仕事ができるのだと思います。

 自信に裏打ちされた確かな技術を持ち、日々最善、最大限の努力をする先生を見ていると感心せずにはいられません。手術の腕とともにその広い心と素晴らしい人柄に人間としての大きな魅力があると思います。

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2008年3月 4日 (火)

救急搬送のトリアージ制度 その結果は?

 けがや病気の緊急性に応じて救急車で運ぶ必要性を判断する東京消防庁のトリアージ制度が実施されて、約8ヶ月が経過しました。

 同制度で救急隊員が搬送の必要なしと判断したのは、8ヶ月で予想の1割以下にとどまることが分かりました。

 制度開始間もないこともあり、重症患者を見落とさないよう慎重に判断しているためとも考えられますが、私は救急搬送の必要なしと判断される例は、思ったより意外と少ないのだなあと思いました。実際には不要と判定しても、患者が同意しないケースも多くあるようなので、何とも言えませんが・・・

 ともあれ、不必要な救急車の出動のために、本当に必要な重症の患者さんの救急搬送が遅れるようなことがあってはいけません。適切なトリアージ制度が実施されることを望みます。

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2008年3月 2日 (日)

代理出産 母が娘の子を出産

 諏訪マタニティークリニックの根津院長は、体外受精させた娘夫妻の受精卵を妻の実母の子宮に移し、2月上旬に男児が生まれていたことを明らかにしました。

 この夫妻のように我が子が欲しいと思っていても、病気でどうしても子供ができない方々にとっては代理出産の方法をとるしかなく、子を望む夫妻の気持ちやそれを叶えてあげたいと思うお母様の親心も理解できます。

 一方、高齢な代理出産妊婦の健康面のリスクの問題や人間の手で生命をコントロールするといった自然の理に逆らう行為といった考えもあります。

 子供がいなくてもそれを受け入れ、仕事や趣味などその他の事に生きる価値を見出し頑張っている人もいれば、子供がいない人生なんて考えられず、あらゆる治療を駆使してもどうしても子供を持ちたいと思う人もいます。

 人間いろいろ、考え方もさまざま。一概には結論が出せない、難しい問題です。皆さんは、どう考えますか。

 

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2008年2月25日 (月)

大腸がん撲滅キャンペーン「BRAVE CIRCLE」

 2020年までの統計予測によると、男女合計の日本人のがん罹患者数で第1位であると予想されるのが大腸がんです。そんな未来に歯止めをかけるべくスタートしたのが「BRAVE CIRCLE」大腸がん撲滅キャンペーンです。

 一人でも大腸がんで亡くなる人を減らすべく、検診への関心を高めていくための様々な展開を行っています。

 大腸がんはここ50年間で死亡者数はなんと約10倍に膨れ上がったそうです。しかし、比較的進行が遅いため、早期発見、治療ができれば、治るがんでもあるのです。

 特に女性は要注意で、羞恥心から検査に抵抗を感じて受けない方が多いため、発見が遅くなり死亡率が高いとも言われています。

 規則正しい食生活を心がけ、かつ便の潜血検査、年に一度の内視鏡検査を受けて、大腸がんから身を守りましょう。

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2008年2月22日 (金)

産科医の人件費助成

 全国的に産科医の不足が深刻化していることから、厚生労働省は来年度から不採算で閉鎖や縮小の危機にある産科医療機関を対象に、医師や助産師の人件費を助成する異例の対策を開始することになりました。

 政府は来年度予算案に人件費などとして12億5000万円を計上しています。助成の対象は全国約100施設で、1施設に約1500万円を補助する予定です。

 出産を取り扱う医療機関は10年間で4000ヶ所から2900ヶ所になり、産科医も1割以上減少しています。

 高齢出産や合併症を伴うリスクの高い出産が多くなり、高度な医療技術が必要なケースの増加や、出産の事故に伴う訴訟の増加などの問題も産科医不足に関係していると思います。人手不足でハードな勤務が続く産科を目指す医師が少なくなってしまうことは残念なことです。新しい生命の誕生に触れることのできる産科医は、とてもやり甲斐のある仕事だと思います。立派な産科の先生が増えて、お母さん達が安心して赤ちゃんを産む事ができる社会になるといいですね。

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2008年2月19日 (火)

元東京女子医大医師を逮捕 看護師に睡眠剤注射し乱暴

 仮眠中の女性看護師の下半身に睡眠剤を注射し、看護師が目を覚まして抵抗すると顔を殴るなど暴行を加えたとして、強姦致傷などの疑いで、元東京女子医大心臓血管外科医師の山崎暁容疑者が逮捕されていたことがわかりました。

 本人は「よく覚えていない」と供述し、女子医大は山崎容疑者を懲戒解雇しました。

 東京女子医大は2001年の女児の心臓手術の際の業務上過失致死罪、証拠隠滅罪の逮捕事件で特定機能病院承認の取り消し処分を受けました。体制が改善されたと判断され、2007年に再承認が認められたばかりという矢先に、また今回のハレンチ事件の発生です。

 1人の軽率な行動による逮捕事件のために、患者さんのために一生懸命頑張っている医師までがマイナスイメージに思われてしまうのが残念です。それにしても女子医大で起こる事件は、なぜ、心臓外科でばかり起こるのでしょうか?不思議です。

 女子医大病院自体は、「至誠と愛」を基本理念とし、最先端の診療体系を構築しながら常に時代の医療を牽引する役割を果たしてきた立派な病院だと思います。私の両親も腎臓癌と心臓病で手術や入院治療を受けましたが、素晴らしい医療を受けることができ、現在は二人とも元気に生活しており、大変感謝しています。

 今回の事件は社会的に許されず、きわめて遺憾ですが、今度は良い話題でニュースになって欲しいものです。

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2008年2月15日 (金)

医療事故 心臓の裏にガーゼ9年

 茨城県つくば市の病院で心臓の冠動脈バイパス手術の際に、心臓の裏から医師が患者の体内に置き忘れた約30センチ四方のガーゼが折りたたんだ状態で見つかり、約9年後の再手術で取り出していたことが分かりました。患者は再手術から約3年後、心不全にて死亡しました。

 病院側はガーゼの置き忘れを認めたうえで、「死亡に何らかの影響を与えた可能性がある。」として遺族に謝罪し、示談が成立したようです。

 本来手術で使われたガーゼはきちんとカウントされ、置き忘れがないように徹底して管理されているはずなのにどうしてこのようなミスがおきてしまうのでしょうか。患者の尊い命を預かっている限り、「間違えた 忘れた」といったことは医療人たるものおこしてはいけないことだと思います。

 日々の診察、治療、手術に対し常に緊張感を持って対処し、こうした医療事故の再発防止に努めていただきたいものです。

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2008年2月13日 (水)

くも膜下出血と脳死と救命病棟24時

 救命病棟24時の再放送を見ていたら、小田切医局長が突然のくも膜下出血で倒れ、脳死状態に陥り、心臓や腎臓を臓器移植で提供するといったストーリーでした。

 心停止、呼吸停止から40分、DCショックで心臓は動き始めましたが、脳死状態は回避できず、医局長は亡くなりました。私自身、家族におこった約2ヵ月半前の出来事とほとんど同じ状況であり、しんみりと思い出してしまいました。

 日本では、脳死を「脳幹を含めた脳すべての機能が不可逆的に廃絶した状態」と定義しています。脳幹は呼吸や循環など生命維持機能を司る中枢が存在しており、人間が生きていくうえで非常に重要な役割を果たしています。脳死は、事故などで頭部にのみ強い衝撃を受けた場合や、くも膜下出血等の脳の病気が原因で発生することが多いです。

 植物状態と脳死の違いは、脳幹が生きているか、いないかです。脳幹が機能している植物状態では呼吸も自分で出来ますが、機能していない脳死では人工呼吸器の助けがなければ呼吸も出来ず、呼吸が出来なければやがて心臓も止まってしまう可能性が高いのです。一見同じように見える両者には実は大きな違いがあります。

 脳死の状態でも、心臓は動いており、身体も温かく、私は脳死を人の死と考えるには正直抵抗があります。でも、治療として移植しか方法がないような難治性疾患に苦しんでいる方にとっては、脳死判定、臓器移植がもっと活発に行われれば良いのにと思う気持ちも理解できます。なかなか難しい永遠のテーマです。

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2008年2月11日 (月)

ヒトES細胞から網膜再生 失明治療

 あらゆる細胞に分化する可能性を持つヒトES細胞から網膜の細胞を効率よく作ることに、理化学研究所と京都大の共同研究チームが成功し、米科学誌のネイチャー・バイオテクノロジーに掲載されました。

 現在、高齢者の失明原因の多くを占める網膜色素変性症や黄斑変性症などの網膜変性疾患に対して、有効な治療法は確立されておらず、苦しんでいる患者さんがたくさんいらっしゃいます。

 私も身近で視覚障害者の生活を目の当たりにしたことがありますが、目が見えないということは日常生活や行動にかなりの制限が加わり、思った以上に大変です。どこかに出かけるにもに手を引いて連れて行ってもらわなければ行けません。人間は視覚から得る情報がいかに多いかを実感しました。

 是非とも近い将来の臨床応用を期待し、画期的な失明治療を実現させていただきたいものです。

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2008年2月 9日 (土)

私立医学部ランキング おすすめ大学は?

 2008年度私立医学部入試難易度予想ランキングは以下の通りです。

 ボーダー偏差値 72.5 慶応義塾 東京慈恵会医科 

            70.0 自治医科 順天堂 東京医科 日本医科

            67.5  昭和 東海 東邦 日本 

                          大阪医科 関西医科

            65.0 岩手医科 獨協医科 東京女子医科 

                北里 杏林 帝京 聖マリ など 

 (河合塾全統模試データより 偏差値65.0以上を抜粋)

 順天堂大学は学費値下げの影響もあるのか、難易度がアップしました。付属の大学病院にも著名で優秀な先生も多く、国家試験の合格率も過去5年間の平均で全国80校中3位をキープしており、医師を目指すのにはとても優れた大学だと思います。

 女子であれば、東京女子医大がおすすめです。女子だけですので倍率も他大学よりは低めですし、チュートリアル制度をカリキュラムに取り入れるなど、とても勉強しやすい環境にあります。6年間同じ新宿区の河田町キャンパスで学べるのも良い点です。多くの女医の先輩がいらっしゃるので、卒後も何かと心強いです。

 慈恵医大も私立で最も古い歴史と伝統のある学校で、おすすめ大学のひとつです。建学の精神は「病気を診ずして病人を診よ。」で、全人的医療を目指しています。少し難易度は高いですが、学費も比較的低めでとてもバランスの取れている大学だと思います。

 以上の3大学が私のおすすめ私立医学部です。

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2008年2月 5日 (火)

診療所の再診料引き下げ見送り

 中医協は、2008年度診療報酬の改定で焦点となっていた診療所の再診料の引き下げを見送ることを決定しました。

 支払い側の健保連が引き下げを求めたのに対し、診療側の日本医師会が強く反対し調整が難航していましたが、病院の再診料引き上げなどの代替策を提案し、双方の了解を得た形となりました。

 現時点では、診療所の再診料は71点、病院の再診料は57点で、病院より診療所の方が僅かに高くなっています。このため患者は負担が少ない病院を選ぶ傾向が強く、勤務医の過重労働に繋がっているとの指摘もあるようですが?・・・

 軽い風邪やずっと安定している高血圧などで、何時間もかけて高度医療機関の病院にに行くのも馬鹿げていると思います。支払いが高いとか安いとかの前に、家庭医にまかせていい病気と、病院で精密検査や治療が必要な病気とを分けて考え、自分はどのレベルの医療機関を選択すべきかを患者自身が考える意識をつけることが必要だと思います。そうしたことを国民にもっと啓蒙することも大切ではないでしょうか。

 日本の医療制度はパンク寸前であり、診察側も受診側も共に大きな意識改革の必要性に迫られていると考えます。

 

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2008年1月30日 (水)

順天堂医院のがん哲学外来

 1月30日、順天堂大医学部附属順天堂医院に、「がん哲学外来」が設置されました。

 一人の人間として患者や家族、周囲の人々も含め、がんと共にどう生きるかを考え、語り合うことを目指し作られたもので、長年発がんの研究に携わってきた樋野興夫・同大医学部教授(病理・腫瘍学)が担当されます。

 従来の医療に風穴を開けたいとの視点から患者本位の新たな医療のモデルケースに取り組むことを計画し、国内で初の試みで無料での外来開設にこぎつけました。当面、1日4組約30分の予約制でスタートするそうです。

 さすがは今勢いのある順天堂です。予約が殺到することでしょう。もし私が自分や家族が治ることのないがんを告知され、どう生きていけばよいか分からなくなったら、相談したくなると思います。

 順天堂大は良い学生を採るため大学の授業料を減免したり、常に新たなことにチャレンジしている医学部だと思います。歴史と伝統もあり、医師国家試験の合格率も良く、素晴らしい大学だと思います。

 申し込み、お問い合わせは同医院がん治療センター03-5802-8196へ。

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2008年1月24日 (木)

同級生の訃報 メラノーマ

 先日ふと届いた大学の同窓会便りを読んでいると、訃報のお知らせの欄に同級生の名前を発見しました。

 二年半前に卒後十周年を記念して開いた同窓会に彼女は欠席でした。けれども、「メラノーマを患い体調が良くないので、出席できなくて残念です。体調を整えて皆にまた会いたいです。」と同窓会掲示板にコメントしてくれました。同級生一同、病気の克服を信じていただけに・・・

 メラノーマとは、悪性黒色腫と呼ばれる皮膚ガンの一種です。皮膚のメラノーマは通常黒くほくろのように見えるので、「ほくろのガン」といった方が分かりやすいと思います。このガンは非常に悪性度が高く、進行も早いため、治療が遅れると生命に関わってくる怖い病気です。

 学生時代、明るく活発に大活躍していた彼女の姿が思い出されました。六年間、机を並べ共に勉学に励んできた仲間の訃報を耳にし、強いショックを受けると同時に非常に残念でなりません。

 心からのご冥福をお祈り申し上げます。合掌。

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2008年1月19日 (土)

脂質異常症とは?

 年末年始にごちそうを食べ過ぎて、正月太りを気にされている方も多いのではないでしょうか。脂質異常症とは、血液中にコレステロールや中性脂肪の脂質が異常に増えてしまった状態をいい、血管が詰まることで起こる脳梗塞や心筋梗塞の原因となります。

 ガイドラインの改定により、診断基準が以下のように変わりました。

 1. LDLコレステロール値 140mg/dl以上    2.  HDLコレステロール値 40mg/dl未満    3. 中性脂肪値 150mg/dl以上

 これまではひとくくりに高脂血症とされていましたが、HDLは数値が低いほど悪いのに高脂血症では矛盾するということで、脂質異常症に改められました。総コレステロールが診断基準からはずされたのは、検査技術の進歩により、現在では動脈硬化に深く関与する悪玉のLDLがダイレクトで測定できるようになったためです。

 1~3のどれかひとつでも該当すれば、動脈硬化になるリスクが高い脂質異常症と診断されます。脂質異常症の潜在的な患者数は2000万人以上にもなるといわれ、自覚症状なく過ごしている人がほとんどです。

 今後は、病院や検診では総コレステロールでなく、LDLコレステロールを測定する方が良いでしょう。そして、脂質異常症と診断された方は、致命的な病気になる前に生活改善を心がけましょう。

 

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2008年1月13日 (日)

ピロリ菌はやっぱり癌を誘発?

 胃癌の原因とされるヘリコバクター・ピロリ菌が作り出す「CagA」と呼ばれるたんぱく質によって、癌が発症することを北海道大学分子腫瘍学研究チームが発表しました。マウス実験では、CagAが白血病など胃癌以外にも関係する可能性も浮かんだとのことです。ピロリ菌に感染した人が全て胃癌になるわけではありませんが、除菌の有効性を示す研究結果であると思います。

 ピロリ菌の感染率は日本で高く、約半数の方が感染しているといわれています。現在では内視鏡検査をしなくても、糞便中抗原検査や呼気試験で簡単にピロリ菌感染の有無を調べることができます。

 胃・十二指腸潰瘍が難治性であったり、再発を何度も繰り返している場合は、ピロリ菌除菌治療が必要です。今回の研究発表でピロリ菌の胃癌誘発の可能性も強く示唆されました。気になる方は、早めに消化器内科専門医を受診し、相談しましょう。

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2008年1月11日 (金)

脳外科の権威 福島孝徳先生と上山博康先生のツーショット

 今週放送された「主治医のみつかる診療所」で脳外科の権威の福島孝徳先生と上山博康先生のツーショットを見ました。現在の日本の医療制度の問題点や今後の方向性について激論を交わしていらっしゃいました。医療の現状や諸外国との医療制度の違いについてもよくわかり、とても勉強になりました。

 福島先生は「神の手を持つ男」と呼ばれ、脳腫瘍外科手術の権威です。一方の上山先生は「匠の手を持つ脳外科医」と呼ばれ、脳動脈瘤手術の権威です。2人は若い頃から良きライバルでもありましたが、得意分野が確立しそれぞれの分野で権威となった現在では互いに認め合い、共同でのセミナー開催などもなさっていらっしゃいます。以前テレビで福島先生は、もし僕が脳血管の手術を受けるなら上山先生にしてもらうと話し、その能力を認め、尊重しあっているようです。

 それにしても2人の先生のタフさにはいつも驚かされます。年間凄い数の手術をこなし今までたくさんの患者さんの命を救ってこられたわけです。若い医師の後進育成にも熱心なお二人。その指導を受けた若手の優秀な脳外科医がたくさん生まれ、今後日本の医療に寄与してくださることを望みたいものです。

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2008年1月 6日 (日)

頻発する患者たらいまわし事件

 1月2日夜、大阪で交通事故に遭った49歳の男性が、府内の5つの救命救急センターに他の患者の処置中などを理由に受け入れを拒否され、その後死亡するといった事件が起きました。救急隊が到着した時には意識はあったというだけに、搬送が早ければ命が助かった可能性もあり、残念で仕方がありません。

 年末にも同じ大阪で89歳の女性が体調不良で救急車を要請し、30の病院をたらいまわしにされ死亡した事件が起きたばかりでした。

 こうした事件が起こると、医師の不足ということが問題になります。最近は救命救急科や産科、小児科など忙しくハードな勤務内容の科よりも、医師自身のQOLもある程度保障される緊急性の少ない科を選択する医学生が多くなっているということを耳にします。ですから、いくら医師の数を増やしても医師の科の偏在を是正しなければ問題は解決しないと思います。

 緊急医療体制の整備を充実させ、我々国民が安心できる医療システムを確立していただきたいものです。

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2007年12月23日 (日)

都道府県別平均寿命

 5年ぶりに都道府県別平均寿命が厚生労働省より発表されました。男性の1位は長野県で79.84歳、女性の1位は沖縄県で86.88歳でした。

 長野県の男性が長生きする理由としては、高齢者就業率がトップであること、保健補導員や食生活改善推進委員が、健康診断のすすめや食事の特別指導などをしっかり行っていることが挙げられます。

 沖縄県は気候も温暖で、長寿の代名詞的存在でしたが、最近ではファーストフードなどの影響による若い世代の食生活の乱れが問題となっており、今後が心配です。

 ちなみに長寿の秘訣とは、1.バランスの良い食事 2.適度な運動 3.社会参加 4.清潔にすることだそうです。以上のことを実行して、有意義で素敵な人生を送りたいものですね。

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2007年12月22日 (土)

増加する飛び込み出産

 以前奈良県で妊婦が病院をたらいまわしにされ、死産、死亡した事件があり、周産期医療問題が議論されたことがありました。そして最近、妊娠中1回も妊婦検診を受けずに、出産間際になって病院に救急搬送される「飛び込み出産」が増加しています。

 飛び込み出産の場合、出産費用を支払わず踏み倒し、かつ、出産育児一時金35万円だけを受け取る悪質なケースや、自分の生んだ子供を連れて行かない例もあるそうです。その背景には、検診費用がもったいない、払えないといった経済的理由も関係しています。しかも、1割はリピーターだといいます。

 飛び込み出産は、子供の死亡率も高く、非常に危険なことです。こうしたモラルのない行動をとる母親がいることが残念でなりません。政府としても、妊婦検診にかかる費用の公的援助を増やすなどの対策が必要ではないでしょうか。

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2007年12月19日 (水)

薬害C型肝炎訴訟

 薬害C型肝炎は、C型肝炎ウィルスに汚染された血液製剤を投与されたことによりおきたもので、キャリアから慢性肝炎に移行、そして、肝硬変、肝癌を併発すると死に至るケースもある病気です。

 実名を公表して闘う福田衣里子さんの姿や、「若者をいつまで病気や裁判とたたかわせるつもりですか。」といった原告団代表の山口さんの言葉が胸をうちました。今まで、病気と闘う辛さや苦しみ、悔しさ、憤りといったものは自分とは無縁でした。しかし、かけがえのない大切な人を失ってみて、少しはそうした気持ちがわかりかけてきました。

 示された和解骨子案は救済範囲が限定的で、原告団としては納得のいかないものであるとのことです。全ての肝炎被害者の救済策が実現することを望みます。そして、国や製薬会社の方々の誠実な対応を心から願いたいです。

 

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2007年12月16日 (日)

くも膜下出血と脳ドック

 12月になり寒くなると、救急車のサイレンの音をよく耳にするようになります。心筋梗塞や脳卒中で倒れる方が増えるからでしょう。私の大切なかけがえのない人も、先日くも膜下出血にて天国へと旅立ちました。

 くも膜下出血は突然の死を招くことが多い病気で、原因の70~80%は血管の壁の弱い所がこぶのように膨らんでできた脳動脈瘤が破裂しておこるものです。

 MRIやMRアンギオなどの脳の検査機器が発達した現在、脳ドック検診を受けることで、症状が出る前に病変を発見できれば、そのまま予防的に早期治療することも可能です。

 頭痛、めまいなどの症状がある方はもちろん、症状のない方も、一度脳ドックを受けてみてはいかがでしょうか。

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