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2006年5月 2日 (火)

健康診断、効果に疑問?

 春や秋は健康診断・人間ドックのシーズン。2005年8月14日、毎日新聞トップに「健康診断、効果に疑問」という見出しの記事が載っていました。その後、テレビや雑誌でもとりあげられていましたが、どのような展開になるのでしょう?

 すでに時代は、健康診断・人間ドックからアンチエイジング(抗加齢)にシフトしている感がありますが・・・

2005年8月14日 毎日新聞より
健康診断、効果に疑問   肝機能や心電図 予防に根拠なし
 健康診断で実施されている代表的な24の検査項目のうち、肝機能検査や心電図測定など16項目は、病気の予防や死者の減少という視点では有効性を示す根拠が薄いとの評価結果を、厚生労働省の研究班がまとめた。自治体や企業に法律で義務付けられ、成人の大半が受ける健診の実施費用は、同省などによれば総額で年間9000億円近くに上る。多くの健診項目が「実施を勧める証拠はない」とされたことで、制度の見直し論議は高まりそうだ。

 報告書を作成したのは「最新の科学的知見に基づいた保健事業に係る調査研究」班(班長、福井次矢・聖路加国際病院長)。これまで、各健診項目の有効性は、ほとんど検証されてこなかったため、研究班は健診の効果的、効率的実施を目的に、各健診項目の効果と、その証拠についての医学論文を世界的に調べた。証拠の質の高さも加えて評価した。

 その結果、「血圧の測定」と、「飲酒」と「喫煙」に関する問診は、効果を示す十分な証拠があった。「身長・体重の測定」は減量指導を充実すれば有効、糖尿病検査の「糖負荷試験」や、「うつ病を調べる問診」は、健診後の指導や治療の体制整備を条件に、有効と評価された。健診が有効とされたのは以上の6項目のみ。他に2項目が判定保留となった。

 これ以外の16項目は「勧めるだけの根拠はない」「病気予防や悪化防止の証拠はない」などとされた。

 労働安全衛生法は、全事業者に年1回の健診実施を義務付け、労働者全員、約5900万人に受診を義務付けている。また老人保健法は、市町村などに、40歳以上の住民への健診実施を義務付け、対象者は約2900万人。【高木昭午】

◆有効性について厳しい評価をした主な項目◆
・一般的な問診     明確な証拠はない
・視力検査        勧めるだけの証拠はない
・聴力検査        勧めるだけの証拠はない
・身体診察        明確な証拠はない
・聴診           明確な証拠はない
・腹部診察        ほとんど証拠がない
・心電図測定       虚血性心疾患の発見には無意味
・胸部X線         肺がん発見に有効との証拠なし
・コレステロール検査  コレステロール低下には役立つが心筋梗塞(こうそく)予防に有効との証拠なし
・肝機能検査(GOT、GPT、γGTP) 実施の意義を再検討すべき
・尿検査          糖尿病発見には不適切。腎不全などを防ぐ証拠はない
・血球数など       有効性を示唆する十分な証拠はない
・C型肝炎検診      判定保留
・B型肝炎検診      判定保留

日本は評価手薄
 福井班長は「日本では健診の有効性評価が手薄だったことを痛感した。今後、厳密な科学的評価を進めるべきだ」と話している。厚生労働省労働衛生課の阿部重一課長は「似た指摘は以前からあった。職場健診を議論している検討会で、各健診項目の有効性を考えてもらいたい」と言う。

健診のマイナス面も検証を
 厚生労働省の研究班が大半の健診項目に厳しい評価を下した。「検査すれば安心」との思い込みを排し、健康人への検査が本当に病気の予防や死亡率低下につながるかを冷静に確認した結果だ。

 研究班報告書によるとGOTとGPT、γGTPの値を調べる肝機能検査で、見つけるべき主な病気の一つは脂肪肝だ。この大半は、放置しても大事に至らない。他に見つけるべきものは、アルコール性の肝臓病とウイルス性肝炎だが、どちらも見落とされる場合が多い。検査するなら飲酒量の問診や直接のウイルス検査が勝る。そこで研究班は「実施の意義を再検討する必要がある」と結論付けた。米、英、カナダなどではGOTなどによる健診は実施されていない。

 肝機能健診の評価を担当した田川一海・三井記念病院副院長(消化器内科)は「GOTなどが高くても問題ないことは多く、それほど心配しなくてよい。逆に見落としが多いので、低くても安心はできない」と話す。

 胸部エックス線(レントゲン)検査については「肺がん検診としての有効性を支持する証拠はない」とした。別の研究班は01年に「海外の研究では肺がんで死ぬ人を減らせないとの結果だが、国内の研究からみて日本の肺がん検診は有効」としており、評価が割れた。今回は海外の研究が国内の研究より質が高いことを重視し、厳しい評価を下した。

 心電図の測定も、心筋梗塞(こうそく)の予防などに役立つとの証拠はなかった。検査で正常とされた人たちの方が、異常が見つかった人たちより、心筋梗塞や突然死に見舞われる率が高いとの調査結果すらあった。研究班長の福井次矢・聖路加国際病院長は「心電図検査は昔から健診として効果がないと言われてきた」と話す。

 あまり意識されないが健診にはマイナス面がある。放射線による発がんの増加、病気の見落としによる治療の遅れ、治療不要な病気の発見による不要な検査・治療の副作用、膨大な費用などだ。健診実施には、マイナスを超える効果があるかの検証が欠かせない。 【高木昭午】

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